ウルリッヒ・ブラント、マークス・ヴィッセン(中村健吾・斎藤幸平監訳),2021,地球を壊す暮らし方──帝国型生活様式と新たな搾取,岩波書店.(12.10.2021)
気候変動の問題だけでなく、グローバル・ノースによるグローバル・サウスの搾取の問題を考えると、「帝国的生活様式」はできるだけ早く廃棄しなければいけないと思う。
自動車や住宅の自己所有の禁止、航空機や大型船舶運航の恒久的禁止、レアメタルが必要な、パソコンやスマートフォン等電子機器への高率の環境税導入、植物由来の人工食肉への移行等、不可能と知りつつも、抜本的な生活様式の変容が必要であると、わたしは、一貫して思ってきた。
不謹慎との誹りを覚悟のうえで言えば、ディープ・エコロジーの観点からは、コロナ禍を契機に、上記のことがらがいくらかでも実現するのであれば、この災禍が永続してほしい、そんなことさえ思う。
自らの豊かさと安寧のために他所の資源を収奪し、過酷な労働を生み、地球環境をも破壊する“普通の暮らし”=帝国型生活様式はどのようにして成立し、我々を支配するようになったのか。危機の深層を析出し、ドイツでベストセラーとなった警告の書。人新世とグローバル資本主義の不可分な関係。コロナ危機を踏まえた日本語版への序文を収録。
目次
第1章 或る生活様式の境界地点にて
第2章 多角的な危機と社会的・生態学的な転換
第3章 帝国型生活様式の概念
第4章 帝国型生活様式の形成史
第5章 帝国型生活様式のグローバルな普遍化と深化
第6章 帝国型の自動車移動
第7章 偽りのオルタナティブ―緑の経済から緑の資本主義へ?
第8章 連帯型生活様式の輪郭
最新の画像もっと見る
最近の「本」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事