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本と音楽とねこと

地球が燃えている

ナオミ・クライン(中野真紀子・関房江訳),2020,地球が燃えている──気候崩壊から人類を救うグリーン・ニューディールの提言,大月書店.(12.8.2021)

 真っ当なことを真っ当な方法でストレートに主張し続け、いまや、世界でもっとも信頼できるジャーナリストとして人口に膾炙するナオミ・クライン。
 気候変動の危機と、その元凶となってきた化石燃料の採掘企業、政治家、新自由主義者、グローバリストの責任を、直球勝負で主張、糾弾する。
 自ら肌で感じた経験をまじえて、周到な取材、文献研究の成果を述べる、その主張の説得力は、本作においてもじゅうぶんすぎるほど強力だ。

残された時間はあと10年―。『ショック・ドクトリン』を著した世界的ジャーナリストが描く、人類存亡の危機とその突破口。

目次
「私たちは山火事だ」
世界に開いた穴
資本主義と気候の対決
地球工学―観測気球を上げる
「政治革命だけが頼みの綱」と科学が言うとき
気候の時間軸vs.永遠の現在
自分だけで世界を救おうとしなくてもいい
ラディカルな教皇庁?
奴らは溺れさせておけ―温暖化する世界における他者化の暴力
「リープ」がめざす飛躍―「無限の神話」を終わらせる
ホットな地球のホットテイク
煙の季節
この歴史的瞬間に懸かっているもの
気候対策の機運を殺いだのは「人間の本性」ではない
プエルトリコの災害に「自然」なものは何もない
社会運動がグリーン・ニューディールの運命を左右する
グリーン・ニューディールにおけるアートの役割

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