現代においてもなお、ブレイディみかこさんをはじめとして、多くの人々を魅了してやまない、福岡(今宿)が生んだ、偉大な思想家、運動家、伊藤野枝。
その生涯は、名著、『村に火をつけ、白痴になれ』にみごとに描き出されたとおりだが、小説、「白痴の母」、「火つけ彦七」、青山(山川)菊枝との廃娼論争(書簡)、女子教育論(エッセイ)、そして、大杉栄との切ないラブレターのやりとり等、読みごたえたっぷりだ。後藤新平宛の、「やれるものだったらやってみろ三倍返し四倍返しだ」という趣旨の抗議書簡には、すがすがしささえ感じる。
若い人たちに読みつがれてほしい珠玉の作品集である。
「私は人間が同じ人間に対して特別な圧迫を加えたり不都合をするのを黙って見てはいられないのです」―17歳で故郷を出、雑誌『青鞜』に参加。弱者を抑圧する社会の矛盾をまっすぐに見すえた伊藤野枝(1895‐1923)は、大杉栄と共に憲兵隊に虐殺されるまで、嵐のごとく生を駆け抜けた。野枝の魅力を伝える創作・評論・書簡を収録。
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