震災によって亡くなった人々を無償で「復元納棺」し続けた笹原留似子さんの経験を再現した記録。凄惨な内容ではあるが、冷静に日本人のウェットな死生観に感じ入るところが大きかった。自己本位きわまりないボランティアたちへの痛烈な嫌悪に深く共感する。子どもにも読めるようにルビが振ってあるので、身近な他者の「死」を疑似体験してもらうには格好の教材にもなるだろう。
目次
1 その時
2 納棺師
3 遺体復元
4 絶えることなき涙
5 遺体安置所
6 さまざまな思い
7 支援のバトン
8 新たな出会い
9 人はつながっていたい生きものです
「うん、ママだ…ママだ…」2011年3月11日、東日本大震災。津波がうばった母親の面影を、ひとりの女性が生前の姿にもどしていく。何時間もかけて、ていねいに、絶対に元にもどすと思いながら。その手で復元された生前の姿に、家族はようやく涙を流し、子どもたちはお別れを告げることができるようになる。人の最後の姿は、残された家族の今後を決める。被災地にボランティアで入り、遺族の思いが動きだす瞬間を見てきた復元納棺師の記録。
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