本書を読むと、「正規」と「非正規」のあいだに、どちらつかずの、あいまいな働き方があることに気づかさせられる。
玄田さんは、非正規で、雇用期間がわからないままの者が多数いることを、統計データから明らかにし、繰り返し、問題視している。
労働条件は、明確に提示させないといけない、というのは当然のことではあるが、雇う側の利益が優先され、不安定な雇用環境におかれた者が多数いるのは、たしかに問題だ。
雇用契約の終了を突如提示されたり、事情が飲み込めないまま給与額が減ってしまったり。会社を信頼していればOKという時代は終わり、いまや正社員であれ非正社員であれ、自分の身を守るために、雇用は契約という原点を踏まえる必要がある。本書は契約期間を軸に、多様化が進む21世紀日本の雇用の現実を見据え、誰もが納得できる職業人生を歩んでゆくための、望ましい雇用社会のあり方を提言。悔いなき職業人生を送る上でヒントに満ちた一書である。
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