本書の白眉は、地球温暖化と、過剰生産のリスクをどう緩和するかという「グローバルなケインズ問題」の解決策とを、二酸化炭素の排出枠取引を含めた新たな国際協働と国際分業の構想として提示している点にある。小品だが、環境問題の解決の方途をグローバルな経済成長戦略のなかに明確に位置づけた好著である。
二〇〇八年以来の世界同時不況と深刻化する地球温暖化―両者のかかわりをどうとらえ、打開への道をどう描くか。著者は、「経済成長か、環境保全か」ではなく、「経済のためにこそ環境を」と主張。その具体的な構想と政策にもとづく脱石油・低炭素社会への展望を示し、新しい経済システムとしての「グリーン資本主義」を提起する。
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