有吉佐和子,1972,『恍惚の人』新潮社(電子書籍版)('16.2.29) 45年ほどむかしに出版された、本ベストセラーを読み直すにつけ、要介護高齢者、とくに重症の認知症者家族介護の過酷さがひしひしと伝わってくる。小規模多機能ホーム、グループホーム、サービス付高齢者向け住宅、介護付有料老人ホームどころか、特養にも入居させることができず、いまだ家族介護を余儀なくされている人々がいることを思えば、認知症高齢者介護の過酷さを疑似体験できるだけでも、本書の価値は色あせてはいない。