事情があって、わたしは、有料老人ホームで暮らす老母の預金管理をしている。
(親族に預金を搾取され、すでに1千万円超を失っていたので、わたしが預金通帳と印鑑を預かり、虎の子の預金を守っている次第である。)
年金は銀行振り込みだし、施設代も口座引き落としなんで、預金の出し入れはあまり必要ないんだが、買い物や美容室利用等でお金が入り用のときは、都度5万円ほどを、老人ホームと同町内に住むいとこのSさんの口座にインターネットバンキングで振り込み、下ろした現金を母に届けてもらっている。
今日、母より、美容室に行きたいのでカネを都合してくれとの電話があり、早速振り込もうとしたところ、スマホのアプリが生成するワンタイムパスワードが使えない・・・。
ああ、そういや、先々月、スマホを買い換えたんだった・・・。
ワンタイムパスワードを生成させるスマホを換える際は、旧機種でパスワード生成の機能を停止し、新機種で新たに利用登録をしないといけないらしい。
しかし、旧機種で機能停止を試みるも、操作を誤り、失敗した・・・。
あわてて、ネットバンキングのヘルプデスクに電話して事情を話したら、母が担当者と通話し、本人確認とネットバンキングの利用許諾が得られれば、なんとかなるかもしれない感触。
ここからがまたたいへん。
母はバケモノ級の超高齢者なので、携帯電話も満足には使えない。
案の定、何度電話しても出ない。
しようがないので、老人ホームに電話し、母本人と電話をつないでもらい、ネットバンキングのヘルプデスクの電話番号と担当者名を伝え、すぐに電話するよう指示した。
ほどなく、担当者から折り返しの電話があり、旧機種でのパスワード生成の機能を停止してもらえた。
おかげで、新機種での機能利用が登録でき、入り用のお金をいとこの口座に振り込むことができた。
すばらしいと思ったのが、ヘルプデスクの担当者の対応だ。
母の銀行口座を息子のわたしが管理するには、「代理人取引」の契約が必要だが、その手続きはしていない。
にもかかわらず、そんな原則に拘泥することなく、かつ、不正取引を防止するための措置(本人確認とネットバンキングの利用許諾)をきちんと取る。
フレキシブルにコンプライアンスを遵守するサービスとは、このような対応のことを言うのだろう。
いたく感心し、また感謝した。