すばらしい内容の本だ。トクヴィルの政治思想を基底に、縦横無尽に異種概念を検討しながら、現代民主制の危機と再生の方途を示す。
〈私〉性のあやうさと、それでもなお〈私〉性を尊重する政治システムにしか希望がないことを鮮やかに明らかにしている。
目次
第1章 平等意識の変容
グローバルな平等化の波
可視化した不平等
「いま…この瞬間」の平等
第2章 新しい個人主義
否定的な個人主義
「自分自身である」権利
自己コントロール社会の陥穽
第3章 浮遊する「私」と政治
不満の私事化
「私」のナショナリズム
政治の時代の政治の貧困
第4章 「私」時代のデモクラシー
社会的希望の回復
平等社会のモラル
“私”からデモクラシーへ)一人ひとりが「私」意識を強く持ち、他人とは違う自分らしさを追い求める現代。分断された「私」と「私」を結びつけ、「私たち」の問題を解決するデモクラシーを発展させることは可能なのか。人々の平等意識の変容と新しい個人主義の出現を踏まえた上で、「私」と政治の関係をとらえなおし、これからのデモクラシーを構想する。
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