で、拾いものの記事。「東大印トイレットペーパー」自体には興味ナッシングだが、筆者のネタのさばき方がすばらしい。なかなか面白かった。
東大印トイレットペーパーの正しい活用法に関する一考察
2006年 8月8日 (火)
東大マーク入りのトイレットペーパーについては、あちこちで取り上げられていたように思うので、知っている人も多いのではないかと思う。なので別に新しい情報ではないのだが、私はこれまで現物を見たことがなかった。たまたま東大に行く機会があったので、ふと思い立って探してみた。
知っていても見たことがある人はそれほど多くないかもしれないので、まずは写真を。包み紙の下のほうに「東京大学」の文字がある。字をとりまく黄色いものは、イチョウの葉をモチーフにした古い東大のロゴマーク。ありがたや。「リサイクル」とあるが、これがミソだ。すなわちこのトイレットペーパーは、プリントやテストその他、東大で日々生み出される膨大な量の廃紙をリサイクルして作られたものなのだ。一応念のためだが、トイレットペーパー自体を東大で作っているわけではなく、廃紙を専門業者がトイレットペーパーに仕立てている、というもの。
これも一応念のためだが、東大マークが印刷されているのは包装紙のみで、中のトイレットペーパーは無地だ。左がその証拠写真。上の写真ともども、「現地」で撮影したものだ。まあトイレットペーパーに模様を印刷していたらコストが高くつくだろうし、だいいち東大マークの紙で当該箇所をふくなど考えるだけでもおそれおおいから、当然といえば当然だろう。
ここからが本題。このトイレットペーパーは、東大のトイレで使われているものだが、外部には販売されていない。東大は独法化してから経営面でもいろいろがんばっていて、ネーム入りグッズを販売する店舗を経営していたりするのだが、その店舗でもこのトイレットペーパーは扱っていなかった。
なんともったいない。
トイレットペーパーそのものには「東大マーク」は印刷されていない
この東大印のトイレットペーパーこそ、東大が外部に販売すべきものの筆頭、ではないか。考えてみてほしい。いくら廃紙を使うからといって、学内向けの小ロット生産では、東大印のトイレットペーパーは市販のものより高くつく可能性が高い(そうでなかったとしても問題の本質は変わらない。後記)。しかし東大生にとっては何のありがたみもない(環境にやさしいとかその程度)このトイレットペーパーも、一歩外部に出れば「あの東大のマーク」のトイレットペーパーとしてありがたがられること請け合いだ。ターゲット顧客はいうまでもない。受験生のいる家庭だ。東大をめざす受験生やその家庭の人々にとって、東大につながるものなら何だってありがたいだろう。東大マークがついているトイレットペーパーなら、普通のトイレットペーパーより多少高くても買いたくなるはずだ。つまり東大印のトイレットペーパーは外部販売用に回して、学内では普通のトイレットペーパーを使うのが正しい使い分けということになる。
このトイレットペーパーのさらなるウリは、東大で使われた紙のリサイクルだということだ。もしかしたら合格した東大生の答案用紙だったかもしれない紙、あの名物教授の論文だったかもしれない紙が生まれ変わって今自分の手の中にある。それで当該部分をふくことで、「ご利益」が少しでもつくかもしれない。少なくとも「運」はつくはずだ(!)。なんとありがたいことではないか。
もしできるなら、製造工程にも少し東大をかませるといい。たとえば東大生のアルバイトを使うなどしたらどうか。コストが許すなら包装紙に製造にかかわった東大生の写真なども入れたりして(「私が作りました」みたいな。産直かよ)。楽天あたりでネット通販すれば全国どこからでも買える。BtoBなら学習塾に売るのも有望だ(絶対欲しがると思うな)。外部販売するには原料となる廃紙が足りないなら、他から廃紙を集めてもいい。「東大廃紙50%配合」と謳えばいいのだ。「100%使用」は当然ながらプレミアムをとる。東大のネームバリューにレバレッジをかけることで、リサイクルビジネスを振興できるわけだ。とにかく、学内だけで使うのはもったいないぞ。
(gooソーシャルニュース H-Yamaguchi.net)
東大印トイレットペーパーの正しい活用法に関する一考察
最新の画像もっと見る
最近の「拾いもの」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事