主人公は「男娼」という設定が良い。
人間、とくに女性の性愛の多様性をリアルに描く作風には、「オラオラ系」の男性作家の風情はまったく感じさせず、ちょっと切ないが、爽やかな読後感に浸れる。
性愛を描いても、安っぽいポルノグラフィに堕していない佳作だと思う。
オーナー・御堂静香の亡き後、非合法のボーイズクラブを引き継いだリョウ。七年もの歳月を娼夫として過ごしてきた彼は、女性達の様々な欲望を受け止め続けていた。男性恐怖症やアセクシュアル…訪れる客の悩みも多様化する中、リョウは自身の未来に思いを巡らせ始める。性とはなにか。男と女の関係とは、どんなものなのか―深遠な旅の結末に、リョウが下した決断とは。「娼年」シリーズ最終章。
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