レイオフ(実質的解雇)を怖れながら、長時間労働を強いられるアメリカ合衆国のホワイトカラー。
正社員を減らせば株価が騰がるため、高収益のなかでも企業はレイオフを繰り返す。残った者はすさまじい量の労働を強いられる。どうしても足りない労働力は、非正規の若者でまかなわれる。
大沢真理『生活保障のガバナンス』(2013)がデータで明らかにしたように、日本は、解雇が厳しいように思われているが、実はそうではない。退職勧奨、役割のはく奪等のいやがらせで辞める人たちは、数多い。およそ10年おくれで、合衆国のあとおいをしているのが日本だ。
アメリカ合衆国、イギリス、日本は、さながら、新自由主義の草刈り場であるが、それが、すでに、1980年代の合衆国で進行していたことを、本書は教えてくれる。
90年代に空前の好景気にわいていたアメリカ経済の足下で、いったい何が進行していたのか。膨大な時間を仕事に費やし、家族と過ごせる時間はごくわずか、精神的やすらぎからは程遠く、仕事と生活の不安は高まるばかり、職場で生き残るだけで精一杯の日々―。その姿は明日の私たち自身の姿なのか。グローバリゼーションと株価至上主義の向かう先の働き方は、こんなにきついものなのか?対抗する手段はないのか。全米で大きな話題を呼んだ「ホワイトカラー搾取工場」からの生々しい衝撃のレポート。
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