下駄の化け物

百物語の一つある「下駄の化け物」という物語を読みました。

昔々、ある町に、下駄を粗末にするおかみさんがいました。下駄が歯が欠けたり、はなおが切れたりすると、使えてもすぐに捨てられました。

ある夜のことでした。女中さんは一人で縫い物をしていました。そこで、おかしそうな歌を聞きました。女中さんはおかしがっていながら、そっと戸の隙間から外へ覗いてみました。でも、誰もいませんでした。
やがて、同じ歌が聞こえてきました。女中さんは化け物だと思って、怖かったです。

次の日、女中さんは昨夜の出来事をおかみさんに話しました。おかみさんは信じられなかったので、夜女中さんの部屋に行って見ることになりました。

また夜でした。おかみさんは女中さんの部屋に行ったけど、しばらくすると何も見つけませんでした。部屋を出ようとしたとたん、おかしそうな歌がなんとか聞こえてきました。
気の強いおかみさんはすぐに戸を開けました。すると、大きな下駄の化け物を見つけました。下駄の化け物は昨日捨てたばかりの下駄を手に待って、物置に行って辺りで姿を消しました。

おかみさんはそれを見たあと、思い切って物置の戸を開けました。その中、山のように積み上げられていた古い下駄がたくさんありました。
全部、おかみさんに捨てられた下駄でした。おかみさんがそれを見ると、反省しました。

その後、おかみさんは下駄を大切にするようになりました。