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蟬しぐれ

2013-09-14 03:40:25 | 
T婆ぁばお勧め本です。

生真面目な文四郎と気のいい逸平、秀才の与之助。時代劇なのですが、前半は特に3人の少年を中心に成長を描く青春グラフティな感が強いです。+αで藩の権力闘争に巻き込まれたり、淡い恋があったりという物語がからめられ面白くなっている感じ。
それにしても地方の下級武士の生活が新鮮です。禄を貰っている武家とはいえ、色んな職種、生活レベルがあるんですねぇ。

中盤のそれからどうなったの?的な文外を想像にまかせたりする部分や、後半の少しあらすじ的に流れが速かったりする部分はちょっと肩すかし気分もするのですが、ストレスでやさぐれた時すら生真面目だった文四郎ですから、ひとつひとつを丁寧にこなしていったのだろうとは想像できます。

でも、最後がおふくとの遣り取りで終わるのが好みじゃなかったなぁ。あそこまで盛り上がるのも不自然な気がしてしまうし。それより、家族4人の風景を見せて欲しかったです。
そして最後は成長した幼なじみ3人の風景で終わってくれたら、もっと好みだったな。



 「蟬しぐれ」藤沢周平


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