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永遠の0

2013-09-23 08:41:19 | 
この本は話題になりすぎてかネガティブな情報も多かったのであまり読む気になれずにいたのですが、マミーが絶賛、わざわざご友人から借りてきてまで貸してくれたので読んでみました。

うん、感動したし面白かったです。
あの戦争がどういう経緯をたどったのか、最前線がいかに悲惨なものだったのか、そしてその苦しい状況は大方が後方に隠れているいわゆるお偉いさん達が馬鹿だったせいであることとか。読んでいて憤りばかり感じて苦しくなるくらいでした。

そんな個人の意見どころか命すらが全く尊重されない時代に、宮部のように「生きたい」という思いを吐露することのできる人間は魅力的で興味を惹きます。よほどの想い、決心がなければそんなことを口に出したりできないですから。そして宮部は思うだけでなく、最大の努力もしている。願って願って実現の為に出来ることは全て実行して、それでも余程の運がなければ叶わない想い。そして、自分の願いが叶う裏には他者の死が隠れているというジレンマに壊れていく心。
そう、二一型に乗り込む以前に、既に宮部の精神は蝕まれ"生きている"状態では無かったのでしょう。

ストーリーの展開も少し謎解き風で面白かったです。ただ、宮部の物語に色んな想いを感じるだけに、孫達の物語が薄っぺらいというか、いかにもとってつけたというか、いらないなぁって感じでした。

0戦に対しては、当時破格の性能だった、そういう物を作れる知識技術が日本にあったということに誇りすら感じたりして、ジブリの「風立ちぬ」を見にいこうと思っていました。でも"性能が良いからこそ、より過酷で無謀な作戦が立てられてしまう"という前線の苦痛を知って、また違う角度からもこの映画を見たいなと思いました。

当時の情報や0戦に精通している人達にとっては色々思うところの多いらしいこの本ですが、わたしのようにこの本で初めて知ることばかりというレベルにとっては、読みやすいこの本は入門書として"あり"かなぁ。



 「永遠の0」百田尚樹


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