3つのキーワード
第1章
『月の光にみせられて』
*夜道を歩くベートーヴェン。盲目の少女が弾くピアノ曲にひかれて、少女の前で曲を披露。
その「月光」と言う創作物語から月光の愛称がついた
*ベートーヴェンは「幻想曲風ソナタ」と書いている
*ドイツの詩人で音楽評論家レルシュタープが第1楽章を聴いて
「スイスのルツェルン湖の月光の波に揺らぐ小舟のよう」と例えたことからとも言われている
*身分違いの恋人ジュリエッタ(18歳)に贈られた曲
その結末の儚く切ない状況も月光の愛称を後押しした
第2章
『常識をくつがえせ』
*ベートーヴェンはこの曲を
『幻想曲風ソナタ』sonata quasi una fantasiaとして発表
この「即興」とは即興演奏(自由な発想)の意
*第1楽章のAdagio sostenute(ゆっくりと音を切らないように)は当時はありえないことで
一般的にはAllegro(速く)で軽快に弾くのが決まりだった
また第1楽章はソナタ形式で
提示→展開→再現→終結が常識だったが
月光はソナタ形式を第3楽章にしている
*このころ耳の異常に悩まされ、翌年1通の遺書を書いている
*ピアノソナタは40年書き続けていた
最終章
『冷静と情熱のはざまで』
*第1楽章冒頭3連符の分散和音と嬰ハ短調で夜の水辺をイメージ
*第3楽章pから一転sfの絶妙なコントラストでドラマを作りだしている
♪「0p」=出版したときにつけた番号
(ベートーヴェンは138番まである)
「WoO」=出版したが「Op」の番号を付けなかった作品で
Werke ohne Opuszahl(作品番号なしの作品たちの意)
(ベートーヴェンには205曲あり「エリーゼのために」もその中の1曲)