Manabus Column

路地裏から尾根道を行く

室戸岬へ

2021-11-15 | Weblog

四万十川の旅を終え、そこから約200キロを車で走り室戸岬へとやって来た。
当初の計画では室戸岬は諦めて、四万十川から愛媛県へと北上する予定だった。
ただ、この先、高知県へ訪れる事がいつになるだろうかと考えると、やはり室戸岬は外せなかったのである。
 
わざわざ灯台を見るだけの為にだ。
なぜ、室戸岬灯台がそんなに惹かれるのだろうか?
そもそも、灯台をいつからこんなにも好きになったのだろうか?
四万十市の隣にも足摺岬があるのだが、やはり室戸岬灯台の魅力は何といっても頭でっかちな形であろう。
 
夕方の点灯まで間に合えば良いけど、間に合わなければ次の日の早朝に行くのもありだ。
そう思っていたが、運よく日暮れ前に到着。
眼下に広大な太平洋が広がっている。

 


ここは岬の先端にある小高い山の中腹にある。
途中、お遍路さんの四国霊場のお寺などがあり、夜になると暗がりになるのでヘッドライトを用意していく。
 
残念な事に、事前に室戸岬灯台を調べていたら、なんと崖崩れで本来上から灯台を望める場所へ行く道は通行止めとの事であった。
ただ、横の灯台守宿舎後の脇から灯台を見ることができる。
 
そして、日が暮れて少し経つとほんのりと灯台の灯が灯される。
今まで止まっていた大きなレンズがゆっくりと周りだし、光線がくるくると回り出した。

 


これはなかなかしんみりとした感動を覚えた。




現在の情報社会で、果たして灯台の役目はどうなのだろうかと思うが、やはりそれでも海の安全を見守っているわけである。
それと、あとで気づいたが、流石にレンズやその外観が新しくなっている。
第二次世界大戦で、米軍の艦載機の攻撃を受け今でもその傷跡があるらしいが、修復したりして所々新しくなっているのだろう。




日が落ちて流石に暗くなって来たので、ここらで撤収。
灯台への道は山道になっているので、ヘッドライトを点けないとほとんど何も見えないのだ。
灯台下暗しで、もしライトを忘れて来てしまったら、ここを抜けるのにかなり困難な作業になってしまうだろう。

崖崩れで通行止めで無ければ、本来なら太平洋越しに灯台を見下ろす事が出来た。
来年には崖崩れの工事は終わるとのことであった。




そして、近くにあるこの日の宿は、昭和初期から建てられたもので重量文化財になっている。
この日は少し風が強かったので、建物がミシミシと軋んだ音がして、何だか少し揺れてる感じもした。
廊下の照明も、部屋に設置してある電話も、そして部屋にある風呂場も全て昭和が残っていた。
よく、ここまで保存していたものだと驚いてしまった。

でも畳の和室はとても居心地が良く、とても気に入った。
ここの若い女将さん(?)は昔の同僚に容姿が似ていて、お喋りなのもそっくりで何だか懐かしかった。
僕が、灯台の光は感動したと言ったら、「それは良かったです」とまるで自分のものであるかの様に喜んでいた。
次の日、宿を出る時のオーナーであろうか、その男性は更にお喋りであった。

なかなか、古いものを維持しながら運営してくのも大変そうである。

台風時期のニュースなんかで、室戸岬などの場所が出て来たりする。
そんな時は、つい室戸岬灯台と、その古い宿を思い出すんだろうな。

いつの日かまた(その日が訪れるなら)、室戸岬灯台と、この古い宿にまた訪れてみたいと思う。
 


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