映画館に『永遠のゼロ』を観に行った。
原作はとても良かっただけに、これを映画化するのは難しいのではと思っていた。
戦争美化論などの屈折した問題や、それに大体において原作の方がやっぱり良かったという事の方が多いからだ。
しかし、この監督が『三丁目の夕日』の山崎貴と言うことで、これは逆に期待できると楽しみにしていた。
観客が10人くらいしか居ない映画館の、ベストポジションの席で映画を観た(平日の映画館は空いていて良いなあ)。
僕は本を読んでいるだけに、冒頭の零戦が出てくるシーンで感動してしまった。
原作は最後の方でガツンと泣かせるんだけど、映画の方は所々に泣かせどころがあり、映像化するとやはり人間の感情的なものが直に映像として入ってくるからだろう。
戦闘シーンも良く出来ていてリアリティと緊迫感が伝わる映像で、VFXなどは一昔前の邦画と比べるとかなり進歩したと思う。
(余談だが、僕のひいおじいちゃんの名前も”久蔵”だったのには驚いた)
さて、原作をそのまま映画化するのは難しいと思うが、やはり気になったのは最後の終わらせ方がちょっと「あれ?」と思う終わり方だった。
このラストシーンに関しては、原作だとかなり残酷な終わらせ方なのだが、その描き方が心に残る要因の一つにもなっているのだ。
だからと言って映画の方が悪いと言っているわけじゃなくて、そこは監督の采配なのだろうと思う。
三丁目の夕日も、永遠のゼロも、最初は本当に映画化出来るのか?と思ったが、どちらも原作に負けないくらい良くできた作品だった。
映画の、演出や構成、細かいカメラワークまで総括するのだから、映画監督はやはり凄いと思わざるを得ない。
更に驚いたのが、この監督の次の作品は『寄生獣』だと聞いた時、本当に映像化出来るのか?とまた思ってしまった(昔はハマったマンガだけど結構グロテスクだし)。
それと、池井戸潤の『下町ロケット』も良かった。
大企業対中小企業と言う内容で、谷あり谷あり少し山が有りと、辛抱強く夢をかなえていく中小企業の経営者の話。
もしもこの下町ロケットを山崎貴監督が映画化したら、やっぱり社長役は堤真一さんになるのかな?
この本の舞台の下町と言うのが大田区なのだけど、その界隈にもまだ昭和情緒が残っているらしく、いつか散策してみたいと思った。
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