第2次安倍改造内閣は3日夕、皇居での認証式を経て正式に発足した。安倍晋三首相はこの後、首相官邸で記者会見し、改造内閣を「実行実現内閣」と命名するとともに、「引き続き経済最優先でデフレからの脱却を目指し、成長戦略の実行に全力を尽くす」と表明。地方創生、安全保障法制の整備についても重点的に取り組む方針を打ち出した。
内閣改造に先立つ自民党役員人事では、谷垣禎一前法相を総裁経験者として初めて幹事長に起用した。首相は会見で「厳しい野党時代に自民党をまとめ、政権交代に道筋をつけた手腕に期待している」と説明した。一方、地方創生担当相として入閣した石破茂前幹事長に対しては「看板政策の地方創生実現に向けて閣内で存分に力を発揮してほしい」と述べた。
ただ、石破氏の処遇をめぐっては、首相との安全保障政策の違いも露呈。「閣内不一致」の火種を抱え込んだ形で、秋の臨時国会では野党の追及を受けそうだ。
改造では、18の閣僚枠のうち12ポストが交代。首相は人事の理由について「諸政策を心機一転、大胆に力強く実行するため」と強調した。女性閣僚が過去最多に並ぶ5人となったことに関し、「女性ならではの目線で新風を巻き起こしてほしい」と期待を込めた。
改造内閣では、女性活躍担当相を新設して有村治子参院議員を充てた。一方、政権の中枢を担う菅義偉官房長官や麻生太郎副総理兼財務相らを留任させ、内閣の骨格は維持した。安全保障法制担当相には江渡聡徳前防衛副大臣を起用した。
新内閣の発足に先立ち首相は3日午後、公明党の山口那津男代表と与党党首会談を実施。東日本大震災からの復興に全力を挙げることなどを確認した。同日夜の初閣議では、地方創生の司令塔となる「まち・ひと・しごと創生本部」の設置を正式に決めた。(2014/09/03-21:01)