通説となっているのは、「外国人に対する社会権は、入国の自由と異なり、原理的な意味で外国人に認められないものではない。財政上の支障がないかぎり、法律によって外国人に社会権の保障を認めることは、憲法上何ら問題がないだけでなく、むしろ望ましいと考えられる。」
通説となっている判例に塩見訴訟判決があります。
塩見訴訟
両親が朝鮮人で昭和9年生まれの塩見さんは、2歳で全盲となり、昭和42年に日本人と結婚して、昭和45年に日本に帰化しました。
一方、国民年金法は、昭和34年4月16日にでき、障害福祉年金をもらえる権利のある23歳以上の外国人は、同法81条2項に昭和34年11月1日の地点で日本に帰化していなければならないと規定されていた。
よって、塩見さんは訴訟を起こしましたが1審、控訴審ともに塩見さんの請求を棄却され、憲法25条(生存権、国の社会的使命)、憲法14条1項(法の下の平等)、憲法98条2項(国際法規の遵守)の各項に違反するとして最高裁に上告をした。
判決は、憲法25条、14条1項、98条2項のどれにも違反するとはいえないとして、上告を棄却しました。(最判平成元年3月2日訟月35巻9号1754頁)
判決文の中で、社会保障上の施策において在留外国人をどのように扱うかについては、国は政治的判断によってこれを決定することができる。しかし財源は限られているから自国民を在留外国人よりも優先的に扱うことも許される。よって、障害福祉年金の支給対象者から外国人を除外することは立法府の裁量の範囲であるとして違憲ではないと示された。
最近では、社会権は人が社会の一員として労働し、生活を営むことに基づき権利であることから、歴史的経緯からとくに国民同様の扱いが要請される在日外国人を含めて、日本社会に居住し、国民と同一の法的・社会的負担を担っている定住外国人にも保障されるべきであるとする説が最も有力視されている。
☆私も同見解であります。日本に住み、日本で働き、日本に税金を納めている人は皆当然に社会権の保障が受けれるという国であるべきだと考えます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます