「死にますよ」
ちょうど2年前、胃カメラが終わってお医者さんは私にこう言った。
前の晩おなかがどうにも痛いというか、不快感でいてもたっていられず、
夜間の救急にやっとたどり着いて
いろんな検査をしたら、こう言われた。
黄疸が出かかっていたらしい。
しかも、肝臓の健康障害を示すデータが
異常なくらいに上がってて、このままではヤバいと・・・
そんなことを言われたのは生まれて初めてだった。
私は息子に電話をして言った。
「なんかお医者さんが言っとけって言われたから言っとくね。
保険は○○と○○がある。
預金口座は○○と○○だから・・・」
と言いかけて、息子パニックになったらしい。
妙に自分は落ち着いていた、というより
実感がなかったんだろう。
それより友人の「胆石だから手術!手術!」
という言葉に
私は絶対嫌だ!と思ってある方法を必死でやった。
入院中何度もやった。手術するのが嫌で。
私は膝が悪くて何度も手術したから
もう手術は2度とごめんだったのだ。
キーワードは“必死に”なんだ。
あること・・・
多分、誰も信じない。
でも、ホントなんだ。
今こうして生きている。
5日後、退院して受診した時のお医者さんも
「胆石症でしか説明できないけど、胆石があるなら
やった検査のどこかに胆石がある。
けれど、ありません。悔しいけれど、何が原因か特定できません」
と本当に悔しそうに言った。
私は、何となく得意な気分になって
病院を無罪放免になったのだった・・・