歌謡番組の録画を合間に見るのですが、ごく最近ではBSテレ東で日本歌手協会の合田道人理事長が紹介する「ムーディーな元祖デュエット」がありました。
久しぶりにフランク永井と松尾和子の「東京ナイト・クラブ」が放送されました。映像は1984(S59)年7月14日第15回夏祭りにっぽんの歌からのものです。1番だけの短い時間ですが、何度見ても松尾和子との掛け合いはいいですね。
この日の番組では続いて「銀座の恋の物語」が登場したのですが、これは石原裕次郎ではなく当時ハワイアンでムードある歌唱で有名だった三島敏夫と、裕次郎とデュエットを歌った牧村旬子のデュエットでした。最初にレコーディングされたときは、裕次郎は映画撮影で大変多忙の中で突然に譜面を渡されて短時間で録音したものでした。このときに同じように急に相方として指名されたのが牧村。彼女のことは良く分かりませんが、プロの歌手として裕次郎とうまくあわせた歌唱でした。
ビクターからフランク永井と松尾和子のデュエットで「東京ナイト・クラブ」がでて、大変なヒットを飾ったのをみて裕次郎に似たのを歌わせてみようと、企画されたのが「銀座の恋の物語」。裕次郎はいつものように、いわれるまま歌って、直ぐにレコーディングを忘れてしまうのですが、このレコードは出るや否や大ヒットします。同名で映画化されます。
裕次郎は基本的に映画俳優なので、テレビでこの歌を歌うとういうのはほとんどなく、映像も極少です。牧村とデュエットという映像も見てません。それに対して、フランク永井と松尾和子の出番はやや多いと言えますが、10数本だけです。フランク永井も忙しく、松尾と同時に番組に出るというのも、大方の予想をはるかに下回っています。
裕次郎は後日にテレビにでて歌いますが、そもそもテレビの歌番組に出ること自身、相当少なく、ましてデュエットとなると他の歌手とのコンビになって、牧村と出ることはなかったはずです。ファンからの要望が多く、八代亜紀と正式に歌ってアルバムを出しています。だが、これもテレビ映像としてはでていません。
さて「東京ナイト・クラブ」ですが、1959(S34)年にレコード発売されました。作詞佐伯孝夫、作曲吉田正、編曲は小沢直与志でモノラル版です。1978(S53)年に「魅惑のゴールデン・デュエット」(SJX-20046)のアルバム作成時に寺岡真三編曲でステレオ化されます。同年にはビクターが本格的な舞台セットで映像化したビデオが同名で発売されます。
フランク永井の多数発売されたCDでは「東京ナイト・クラブ」は基本的にモノラル版が使われています。業界では歌手ご本人が活躍した時代のオリジナルが基本とされるためです。だから「有楽町で逢いましょう」でも、恩師吉田正が編曲したステレオ版があるのですが、多くはオリジナルのモノラル版が多用されています。
ちなみに「銀座の恋の物語」の例と同じように、「東京ナイト・クラブ」の大ヒットで同名で映画が松竹からカラーで上映されています。しかし、これは基本的にドラマというよりも、30分の歌謡番組といったもののようです。
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