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シェイクスピア全37戯曲の完全上演を目指す『彩の国シェイクスピア・シリーズ』の第35弾。初代芸術監督蜷川幸雄さんの跡を継いで、2代目芸術監督に就任した俳優・吉田鋼太郎さんが演出する3作目。
歴史劇には珍しく戦争の描写がなく、舞踊会や戴冠行列、エリザベス女王洗礼の祝賀など、ヘンリー八世時代の華やかな一面が物語に反映されている作品で、歴史劇の中では『ヘンリー四世』二部作、『リチャード三世』についで人気の高い作品ですが、上演は数少ないそうです。
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◇STORY◇
英国王ヘンリー八世の宮殿では、ウルジー枢機卿が勢力を強めている。国王の寵愛を受けながら出世のために策略をめぐらし高慢なウルジーは公爵たちの非難の的になっている。そんな中、学識高く才能をもつバッキンガム公がウルジーの陰謀によって裁判にかけられ冤罪により死刑となった。ある晩、王はウルジー邸の晩餐会で王妃に仕える女官アン・ブリンに心奪われる。王は王妃キャサリンとの結婚を無効にしようと離婚裁判を起こすがキャサリンは自身の敵であるウルジーが審判する裁判への出頭を拒否、ウルジーもまた自分の得にならない離婚裁判の延期を謀るが・・・
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昨年の「ヘンリー五世」はイングランドvsフランスの戦闘シーンが多かったけど、今回はひたすら長台詞の海 あんなに「言葉だけ」で紡がれる舞台はあまり経験ない。シェイクスピア作品には多少慣れている私でも1幕では2回くらい気を失いそうになったので
、シェイクスピア作品が初めての人には理解も難しいだろうし、ずっと起きているのも難しい作品かも
でも、2幕では客席降り演出も多かったし、観客を巻き込んだシーンもあり、突然2階席に阿部寛さんが出現したりもあって、鋼太郎さんの演出とても良かったです 鋼太郎さんはいつものようなアドリブはほとんど入れずに(笑)真面目に演じていたようなので、その点はちょっと残念だったかも?
私は基本的に殺陣シーンが好きなので、今回の「ヘンリー八世」ではそれが見られなくてちょっと物足りない感じもあるけど、シェイクスピアの戯曲ってホントに奥が深いので、この作品、蜷川さんだったらどんな演出をしてくれたのかな~?と。。。
◆キャスト◆
ヘンリー八世:阿部寛、枢機卿ウルジー:吉田鋼太郎、トマス・クラマー:金子大地、キャサリン:宮本裕子、バッキンガム公爵:谷田歩、ノーフォーク公爵:河内大和
阿部寛さんの舞台は以前にも観たことあるけど、今回は堂々とした「王様感」が半端なかった 昨年の「ヘンリー五世」の桃李くんの「王様」とは全く違ったタイプの王様でした。そして、阿部寛さんvs吉田鋼太郎さんのシーンはとにかく絵面が濃くて「中世英国」というよりはまるで「古代ローマ」って感じだった(笑)。
■観劇記録■
彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
S席 1階H列28番
演劇向きのこじんまりした劇場なので1階席は舞台がかなり近くてオペラグラス無しでも役者さんの表情や動きがよく見えた。この劇場ではマイクを使わず「生声」で上演されるのも魅力。
fu-koさんでも気を失いかけたんですね(^^; 睡眠時間をたっぷり取って、あらすじを頭に入れてから鑑賞に行きたいと思います。大阪公演まであと3週間くらいありますが、コロナの影響で公演中止とかにならないと良いんですが・・・。
と思ったら、阿部寛さん目当てでしたか!(笑)
たしかに濃いですものね~、確かにあじさいさん好み!!
でも、とりあえず1幕はだいぶ難しいので、覚悟して観に行ってください(^_^;)
そうそう、この作品の埼玉公演はコロナの影響で12日に突然千秋楽を迎えてしまいました。。。
私の先週の観劇はギリギリセーフでしたけど、大阪公演が中止にならないといいですね、、、。