Entrance for Studies in Finance

Case Study on General Motors

2008年年末 米国の自動車業界 米政府に対して支援要請

 

米国の自動車業界は、米連邦議会・米連邦政府に対して2008年内に40億ドルの即時融資。3社合計で340億ドルの融資を求めている(2008124米上院銀行委員会 2日に再建計画提出)。要請額は11月20日の公聴会時の250億ドルより拡大している。10月に環境技術開発向け融資枠(250億ドル)がすでに成立しているので、今回の要請額は、それに上乗せをしろというもの。

背景には販売不振のなかで資金繰りの悪化がある。9月末現在の手元資金がこれからの半年間でほぼ底をつく見通しになっている。破産法のもとでの再建を求める声に対しては、破産した企業の車を消費者は買うだろうかと疑問を呈している。

労組を支持基盤にかかえる民主党は金融安定化法にもとづく公的資金枠活用案を検討している。ブッシュ政権は環境技術開発向け融資の前倒し案。共和党はなしくずしの融資拡大に懸念しているとされ、世論の多くは救済に批判的と伝えられる。市場主義的な経済学者のモラルハザード論もある。米国に対抗して環境開発融資を検討中のEUからも牽制の声がでている。

米国議会がどのような判断を下すか注目された。2008年12月9日に民主党首脳とホワイトハウスの間で妥協案が成立。12月10日には下院(435議席のうち民主党が235)で救済法案が可決された(賛成237 反対170)。しかし上院共和党(99議席のうち50議席)が激しく抵抗。1211日、両党の協議は決裂。政府支援は白紙に戻ることになった。背景には米自動車業界の将来の青写真が描きにくいことがある。12月8日にフォードがつなぎ融資を求めないとの声明をだし、クライスラーが買収の対象ということからすると、焦点がGMにあることがはっきりしてきている。日本の自動車産業の下での再建という声もあるが、影響の大きさもあり救済をめぐる米国の世論は割れている。

2008年11月の公聴会に先立ち、GMはスズキ(11/18に3%すべてをスズキに223億円で)のまたフォードはマツダの株を売却(保有33.4%のうち20%をマツダなどに520億円で)した。このような戦略的投資も削るほど、資金繰りに困っているとのアピールだろう。GMはすでに、富士重工業(20%05/10)、スズキ(17%06/03)、いすず(7.9%06/04)と日本の自動車工業株の売却を続けてきた。その結果、いすずや富士重工業にはトヨタ自動車が出資。日本では自動車業界の再編が進んだ。今回のスズキ(3%08/11)やフォードによるマツダ(20%08/11)の放出がどのような業界再編につながるか注目される。

すでに述べたように、破産法のもとでの再建を求める声も根強い。支援しても組合や独立系ディーラーとの関係に縛られる関係が続き抜本策は打てないとの声も多く米自動車業界は破たんの淵に立っているといえる。ただ米自動車業界を波たんに追い込むことが、正しい決着なのだろうか。ビッグスリーの破綻は、ビッグスリーと日本メーカー双方に部品を供給している企業や、ビッグスリー車と日本車を併売しているディーラーの連鎖破たんに波及する可能性もある。

すでに08年9月以降、減産に追い込まれている日本企業は内外で減産幅を拡大している。景気の後退が全世界に及ぶものであるため過去最大規模での生産調整が不可避になっている。ビッグスリーの破綻は北米自動車業界に大きな衝撃を与え、北米自動車販売の不振を一時的には悪化させる可能性が高い。

2008116 トヨタ自動車は今期(09年3月期)の連結営業が前期比で74%落ち込むとした(日産は66%)。減益の要因の4割は円高、2割が研究開発費、残りが販売不振などである。トヨタは国内生産を海外に輸出に振り向ける割合が高く為替変動の影響を受けやすい企業体質をもっているが、その弱点が今回の円高で如実に表れた。手元資金が4兆円あるなど、圧倒的な財務体質の良さから長期的投資計画に変更はないとしているものの、このトヨタの数値からも事態の深刻さが分かる。ビッグスリーの破綻は、この点からみて好ましいことではない。米連邦議会が、救済の判断をくだすことを期待したい。
This blog was written by Hiroshi Fukumitsu. You may not copy, reproduce or post without obtaining the prior consent of the author. 

GMの再生は可能か(2009年)

2009年7月10>日新生GMがスタート
 2009年6月1日 米GMは米破産法11条の適用を求めて、連邦破産法裁判所に申し立てを起こした。その後7月5日(日)に同裁判所が承認、4日間の上告猶予期間設ける。7月9日(木)昼に同裁判所は異議申し立てを締め切った。一部債権者や交通事故被害者などが上告の動きを示すが、結局、上告者はなかった。
 クライスラーのケースで上告が最高裁により6月9日に棄却された前例、米政府が7月10日までに承認されなければ政府による支援(総額330億ドルの事業再生融資など)を打ち切るとしており、その場合はGMが清算に追い込まれることなどが、背景とされる。
 裁判所の判断に上告がなかったという結果を受けて、7月10日(金)朝に新GMへの資産譲渡が実行された。米GMは優良資産を新会社「セネラルモーターズカンパニー」に譲渡し、破産法11条の手続きを事実上、完了した(4月末に破産法適用を申請したクライスラーについては、一部債権者から上告が出されたが6月9日に米最高裁がその上告を棄却。これを受けて6月10日に新会社に資産を譲渡、新生会社として先にスタートしている)。GMの規模や利害関係者の大きさから60日はかかると思われた手続きは、クライスラーとともに40日の異例の早さで終了した)。
 ここでは米GMの再生、再建の可能性について議論してみたい。
米破産法11条の意義
米破産法第11条は日本の民事再生法に相当とされる。民事再生法は、1978年米破産法11条にならって制定された。
ところで米破産法では、法的な破産(債務支払い不能状態insolvencyにあることを裁判所が認めて、債権者への支払いを止めて清算あるいは再生の手続きに入ること)について、債権者からあるいは債務者のいずれからも裁判所に申し立てることを認めている。債権者からの申し立ては非自発的破産、債務者からの申し立ては自発的破産と呼ばれている。
清算liquidation手続きを扱っているのは7条(Chapter 7)である。この場合は裁判所が任命した管財人interim trusteeが広範な権限を握っている。

特徴的なのは再生reorganization手続きである。1978年米破産法改正法11条(Chapter 11)は、再生手続きをするreorganization間、裁判所の監督のもとに、債務者である企業(の経営者)に、引き続き事業の所有を継続して営業を自らの意思のもとに行うことを認めている。また再生について債権者と事前の調整を行う事前調整prepackagedについても定めている。なお個人についての再生手続きは、13条(Chapter 13)で定められている。

クライスラーそしてGMが破産
クライスラーは2009430日破産法申請。米・カナダ政府があわせて105億ドルの拠出表明。5月31日米・カナダ政府があわせて396億ドルの拠出を表明したあとGMは200961日破産法申請
それぞれ11条の適用を連邦破産裁判所に申請した(破産した)。またあわせて事業譲渡の許可申請をした。GMの生産台数はクライスラーの4倍だが、まずはクライスラーの破産と救済により、GM破綻、実質国有化(米政府は融資債権を新生GMへの出資に切り替える方針。新生GMへの政府の出資割合は60%)の市場へのショックを和らげる計算が働いたとみられる(このような政府による市場経済への大規模な介入をオバノミクスと呼ばれることがある)。GMの破産は史上最大の破産(3月末の総資産は823億ドル 連結ベースの負債規模は1728億ドル)とされその影響は大きいといわれている。

指摘されている米自動車産業の問題点
では米国の自動車産業はなぜだめになったのか。米自動車産業の問題点として以下のような点がすでに指摘されている。
株主資本主義による絶えざる自己資本利益率向上要求(株価上昇要求、増配要求)。その結果、設備投資を始めとする経費が十分でない(長期的に必要な環境車の開発を後回し)。またレバレッジをきかした金融事業の拡大に傾斜(サブプライムローンに加担)
 販売奨励金により不自然に高い販売水準が維持されてきた。ディーラーはローン審査を緩和。低金利期にゼロ金利など大幅値引きで売りまくった(新車価格が低下して収益力が低下した)。そもそも製品競争力が低い。
 企業年金や退職者向け医療給付が負担になっている(背景に社会保障制度の貧困)など。

債権者と事前交渉で組合と有担保債権者を優遇
 GMでは破産を視野に債権者との交渉を始めた   
 GMでは、再建案で政府とUAW(全米自動車労組)は債権に変えて合わせて株式の9割を取得、無担保債権者が1割というのが当初伝えられた割合。最終的な割合は調整中だがオバマ政権は過半出資を明言している(実質的一時国有化)。無担保債権者は株式の取得割合が低すぎる(債権の9割カットになる、株式をもっと欲しい)と抵抗。目標とした債権者の9割の賛成は得られなかった。結局、5月26日、約270億ドルの無担保債務削減交渉は決裂した。なお有担保債権者は全額保護と伝えられる(クライスラーの場合は有担保債権者が債権を大幅カットされた またフィアットが買収に名乗りを上げたことを受け米政府出資は8%にとどまった)。
 破綻回避をめざした交渉が決裂したあとは、破綻を前提にした事前調整が続いた。11条から見れば債権額の3分の2以上で債権者の過半の賛成で再建計画は承認される。
 5月31日現在で公表されている再建計画での新生GMへの出資割合は、これまでの約200億ドルに加え301億ドル追加出資する米政府が約60%、95億ドル追加出資するカナダ政府とオンタリオ州政府が約12%、両政府の出資はあわせて396億ドル。
UAW主導の医療保険基金が17.5%と2.5%の株主購入権、債権者は10%と15%の株主購入権とされる。
 UAWが医療保険債務の半減、労務協約の見直しなどの反面(退職者の年金や現役労働者の給与水準の見直しには応じなかったとされる)、再建後のGMの普通株の17.5%や年率9%の配当が保証された65億ドル分の優先株を受け取る見込み(5月29日段階)。
 破産法によりUAW向け医療債務が半減することは、かなりの負担軽減となる。関係者が懸念するのは、破産によるブランド力の毀損だ。破綻によるブランドイメージの低下の影響は大きい(米3社の間では破綻しなかったフォードが伸びると思われる)。またブランドの売却により業界の再編が進むことも間違いない。
 米政府は部品メーカー向けの債権保証制度を用意した(2009年3月)。影響を受ける日本のメーカーも申請している。直接取引きがあること、米国で生産されたものであることなどが条件とされる。
 日本の部品メーカーではデンソー、矢崎総業、曙ブレーキ、アイシン精機、ヨロズ。素材メーカーでは合弁事業で神戸製鋼所(ーUSスチール)、新日本製鉄(ーミタル)などが、そのほか、ブリヂストン、スズキ、タカタなどが日本メーカーで影響を受けるものとして報道された。
 米政府は上場時に保有株を売却することで出資資金(500億ドル)の回収をねらっている。債権者の抵抗の背景にはクレジットデフォルトスワップ保有で破綻時に債権がカバーされるものもいるからと指摘されている。
 
オペル、サーブの売却
当面の話題はGMの独子会社オペル(欧州でフィアットと並ぶブランド)の売却先。クライスラーへの出資で名前の出たイタリアのフィアットのほか、カナダの部品大手メーカーマグナ・インターナショナル(背景にロシア資本)、ファンドのRHJインターナショナルなどが食指を示したが、マグナが勝者となり暫定合意が報道された(2009年5月29日)。ドイツ政府もオペルに15億ユーロのつなぎ融資実施を決めた(5月30日)。マグナはクライスラー、GMの破綻を受け北米以外に市場を求める必要があり、ロシア政府とロシア資本は自動車産業の育成をねらっているとされる。オペルの新たな株主構成はマグナ20%、ロシアの政府系銀行ズベルバンク35%、米GM35%、オペル従業員組合10%とされる。もっともマグナが人員削減を打ち出し、雇用優先の立場からオペル支援を決めたドイツ政府は窮地に立たされているともされる(6月25日日経報道)。
また6月16日にはスウエーデン子会社のサーブを現地の高級車メーカーケーニグセグに売却することでの基本合意成立がGMによって正式に発表された。

NUMMIからの撤退
6月29日にGMはトヨタとの合弁会社NUMMIからの撤退を発表した。これはNUMMIで現在生産しているGM向け生産ブランド(ポンシィアック)の打ち切りに伴うもの。NUMMIではトヨタ向けにカローラ、タコス(小型トラック)も生産しているが、トヨタも北米の過剰生産能力の調整を必要としており、清算を含めて検討中とされる。
 
This blog was written by Hiroshi Fukumitsu. You may not copy, reproduce or post without obtaining the prior consent of the author. Original version appeared in June 5, 2009. It was corrected in July 16, 2009.

GMのリコール隠し(2014年)
自動車産業では、車台の共通化 部品の共通化といった合理化が、その部品の不具合から大量のリコールにつながるようになった。 2013年末に公的支援の終了。さらに2014年に入って、女性のCEO登場で明るい話題に包まれたかに見えたGMが、一転リコール問題に陥って注目された。早い段階で開発部門における部品の不備の認識がもたれたにもかかかわらず、問題が営業や生産部門に共有されなかったという 社内の風通しの悪さも指摘された。問題の開発部門での認識は2001年。これに対してリコール開始は2014年2月になり、結果として事故で13人が 亡くなった。 自動車のリコールはこれまでも自動車メーカーの存続に大きなリスクとなっている。以下にみるように点火スイッチの欠陥の発覚であり、最終的に2015年に司法省に対する制裁金と集団訴訟での和解金14億7500万ドルの支払いで合意して沈静化させている

過去の主なリコール問題

三菱自動車(2000年と2004) 日本メーカーについては三菱自動車のリコール隠しが有名。同社は2000年と2004年にこの問題を繰り返し経営危機に陥った(当初の問題発覚は2000年7月 2004年の再発覚は2005年11月、3割の出資を受けていたダイムラークライスラーとの資本提携解消につながった)。2004年から2006年にかけて三菱G企業などに対して6000億円の優先株を発行し経営危機を乗り切った。その後、軽の販売の好調、円安効果もあり、2013年前期に増益に転換した。2013年11月経営危機を乗り切った事を受けて、2014年に入ったら最大で2100億円の普通株を発行して三菱G4社に対して残る3800億円の優先株の一部を発行価格から平均で25%引いた価格で買戻し消却処理をする方針を示した。消却でなお残る普通株については、普通株に転換して保有が継続される。この結果、最大の懸案だった優先株処理がほぼ完了したことを受けて、2014年1月には、9年ぶりに生え抜きの常務が社長に昇格させることも示された。

(同社は軽の開発生産で日産と提携。さらにEVの開発や北米輸出でで日産ールノー連合と連携を強化する構えを2013年11月に示した:2013年11月。日産ールノー連合はEVの販売で先行。三菱もEVの開発で実績がある。日産・ルノーとの接近には業界で生き残るための1000万台という販売台数水準のGを作るという問題がある。トヨタ(975万台)、GM(929万台)、VW(928万台)に次ぐ第四のグループを形成する方針(日産ルノーはアフトワズと合わせて800万 三菱自動車が100万 数字は2012年)。背景にはルノーの欧州での不振。ルノー・サムソンの韓国での販売不振、稼働率低下などルノーの経営不振があるとされる。)

トヨタ(2009年から2010年) トヨタのリコール 2009年から2010年 785万台。意図しない急加速があるという風評でトヨタの販売失速につながった。問題はアクセルペダルの不具合。しかし電子システムに欠陥があるとの風評が広がった。このトヨタの問題と今回の2014年GMとはさまざまに比較されることになった。 2013年の米新車販売台数1560万台前年比7.6%増。6年ぶりの高水準。2009年の金融危機前の水準を回復。 2014年の米新車販売台数規模は1600万台後半と推定。世界最大の市場は中国で2300万台前後(2013年の1割増)。2014年に司法省に12億ドルの和解金支払いで決着を図ることになった

今回のリコール問題直前の公的支援の終了(2013年12月)

2008年12月米政府(ブッシュ政権末期)が134億ドル融資。2009年6月連邦破産法11条を申請でGMは経営破綻。2009年7月一時国有化(オバマ政権による雇用優先)。米政府が61%出資する企業として再出発。500億(495億)ドル近い資金が投入出資された。コストカットを進めたとされる(北米14工場の閉鎖・休止 工場閉鎖による過剰生産能力削減 ブランド数削減 人件費抑制 2006に資本提携解消したいすゞとの再提携2012/04→2013/01)。2010年9月 アカーソン氏がCEO就任。2010年11月再上場(再上場時 政府は一部の保有株式を売却 再上場時売出価格33ドル)。2013年末に米政府が保有(保有比率32% これは残る間は株価押し下げ要因)全GM株の売却を終えて公的支援は終了(495億ドル投入 2013年12月105億ドルの売却損を出して関与解消を優先 2012年12月 大統領に再選されたオバマは脱国有化を決断したとされる)。巨額の公的資金投入に批判が強い反面、120万人の雇用が維持されたとの評価もある(金融危機もあり資金調達ができなかった。救済しなければ連鎖倒産が広がる恐れもあった。)。ただ1兆円近い損失発生は、公的支援が最終的に損失にならないという神話が成立しなかったことになり意味は小さくない。 このGM救済で使われた仕組みは2008年10月創設のTARP(Troubled Asset Relief Program)。シティなど大手金融機関9行(2008年10月)、クライスラー、GMなど企業(2009年4月~6月)に相次いで出融資。拠出総額4210億ドル。回収額4320億ドル。回収額を押し上げたのはAIGへの支援だとされる。米政府は2009年9月にリーマンを破綻させるもAIGを救済した。 GM、クライスラーは救済され、フォードは自力再建するので、公平性からみた問題が指摘される。 GMでは北米は大規模なリストラで復活。中国は最大市場で好調を維持(人件費の上昇はあるが)。問題は欧州とされる。ドイツのオペルの扱い。売却するか再建するか。2012年2月に提携したフランスのPSA(いわゆるプジョー 欧州2位 創業家の持ち分が高く創業家を無視できない またフランス政府が雇用確保のため介入)と提携させるか。結局2013年12月までにGMは欧州からシボレーブランドを撤退させ、欧州ではオペルの再建に集中。PSAとの関係をむしろ清算すること(出資は解消 持分は市場で売却 業務提携は縮小)を決めた。PSAは中国の東風との資本提携に舵をとる。 GM/いすゞ裁定系(2013年1月) 新興国で需要が拡大しているピックアップトラック(小型商用車事業)で事業一体化。GM(世界シェア19%)がピックアップ用エンジンにいすゞのものに切り替える。2006年に資本提携を解消、欧州でのDE供給も解消。いすゞはトヨタとの資本業務提携(同傘下の日野自動車)は維持。両者を合わせたシェアは商用車シェア25%で世界1でありフォードを突き放した(GM-フォードートヨターフィアットの順番)。 金融緩和と消費 米国内新車市場ではゼロ金利ローンが常態化。消費を押し上げている。延滞や貸倒れを懸念する意見もある。自動車メーカー系金融会社。 いまひとつリース販売も増加している。 直前に女性CEO就任(2014年1月) 2014年1月メアリーバーラCEOの就任。自動車大手で女性CEOは初めて。GMはトヨタやVWと世界1を競う。トヨタ996万(計画値) GM971万(暫定) VW970万

GMリコール問題発覚(2014年2月) 
2014年2月 GMで小型車コバルトなのでエアバックが作動しない欠陥を長年にわたり放置していた問題が浮上した(なぜ発覚が米政府の保有株売却後になるかは不思議だ。また2009年から2010年にかけてのトヨタのリコール問題も政治的に仕組まれた陰謀の匂いがする。こうした「陰謀説」が日本では強い。また2011年については、震災とタイでの洪水での部品調達難で日本車はシェアを落とす。)。 GMは不具合について2001年の試作段階で既に認識。2002年2月には部品メーカーから通知を受け 2005年2月から3月には社内で対策会議を行いながらコストを理由に対策をとらない決定をしたというもの。 2012年5月 外部機関に調査依頼したところ44車種で点火スイッチの能力不足が指摘された(情報が共有されず)。ようやく2014年2月にリコールに踏み切った。エンジン点火(イグニッション)スイッチの欠陥を10年以上放置して、少なくとも13名が死亡。この間の顧客の苦情は133件。イグニッションスイッチの調達価格は一つ2~5ドル。製造元はデルファイオートモーテイブ 20142月リコールに際して過去に生産したものに対する包括的品質調査をしたところ続々と不具合が発覚する事態となった。   まず2014年2月に当初162万台のリコール。これは2003年から2007年までの7車種について点火スイッチの不具合で走行中エンジンがとまったりエアバックが作動しなかったりする不具合があるというもの。対象は再調査分を含めると650万台(3月17日別途08-14年式で175万6000台。3月28日に97万1000台追加。さらに3月31日までで650万台)。5月15日に追加で300万台。(2009年から2010年のトヨタのリコールの規模に並ぶ) 4月10日 7億5000万ドルとした経費を13億ドルに引き上げ 5月16日 米運輸省高速道路交通安全局 3500万ドルの民事制裁金(1回としては最高額 トヨタは3回にわたり6600万ドルを課された また米司法省とは2014年3月12億ドルあまりの制裁金支払いで合意。) 6月3日 5月の新車販売でGM首位維持17.7%(リコールの影響出ず)  6月5日 社内処分発表15人解雇 5人厳重注意処分 6月10日 株主総会でバーラCEO 再発防止を表明 6月16日 15車種6件で355万台の追加リコールを発表 2014年の累計44件2004万台 2009年―2010年のトヨタのリコール1600万台を上回る 対策費用は累計20億ドルも異例の規模 1-3月13億ドル 4-6月4億ドル。追加で7億ドルに増やして計24億ドル 6月30日 845万台の追加リコールを発表。2014年の累計は2900万台。世界的に類例がない規模に。欠陥車放置による死者について、民間では数百人単位との指摘もある。 

This Blog was written by Hiroshi Fukumitsu. You may not copy, reproduce or post without obtaining the prior consent of the author. It appeared, in July 7, 2014 

revised in Feb.13, 2016

タカタのリコール問題(2014-2015)

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