Entrance for Studies in Finance

株価暴落とFRBの利上げ アルゴリズム取引 リスクパリティ

2018年12月の大暴落とFRB(中央銀行)の責任

FRBはあるいは中央銀行は、政府からの独立性を示すために、政府の反対を押し切って金利を引き上げることが好きであるようだ。しかし12月19日の4度目の利上げ決定後の株価下落は破滅的だった。

なぜ回数まで示してそれを機械的に実行するのか。なぜ機械的に実行することが、政治からの独立なのか? そもそも景気過熱を抑えることが利上げの目的の一つだが、米国が利上げすると、途上国から

米国に資金が還流する側面がある。これは一面で米国の株価上昇に寄与するが、結果として新興国の景気ダウン、国内では住宅投資のダウンから、企業の収益を低下させる可能性もある。こうなってくると

日本でもそうだったが、中央銀行の独立性という教科書の建前をどう考えるべきかという問題になる。独立性には中央銀行が正しく判断するという前提がある。

しかしもし中央銀行がただしく判断できないことがあるなら独立性はそもそも間違っているのではないか?

2018年9月26日 FRB FOMCで3ケ月ぶりの利上げ決定 FF金利の誘導目標をo.25%引き揚げ年 2.00~2.25%へ

2018年10月23日 トランプがFRBの利上げを批判 景気を押し下げる最大の脅威 常軌を逸している

2018年10月25日 米NY株価 ダウ工業株 3日続落2万583ドル42セント

2018年10月25日 欧州中央銀行理事会 量的緩和政策の年内終了を確認(この最初の決定は2018年6月の理事会でなされた) 現在は月150億€訳2兆円のペース 超低金利政策は少なとくと来年2019年夏まで続ける

2018年11月7-8日 FRB 利上げ決定見送りつつ12月の利上げを示唆

2018年11月13日 イタリア政府(政府債務GDP比130%超 EU基準の60%を大きく超える ギリシアの180%に次ぐGDP比財政赤字2.4%とする予算案を9月末に提示 前政権が0.8%としていたものを拡大) 2019年度予算案の修正拒みEUとの対決路線維持

2018年11月28日 米NY株価 利上げ停止観測で株高 3日続伸前日比600ドル超上げて 617ドル70セント上げて2万5366ドル43セント

2018年12月1日 米中首脳会談 カナダバンクーバーでファーウェイ副会長逮捕 違法な金融取引の疑い 米中貿易摩擦高まる

2018年12月1日 フランス マクロン政権 労働法改悪 富裕税廃止 法人税率引き下げ33%→25% 防衛費の5割増額 社会保障増税 燃料税引き上げ 公務員の大幅削減 徹底した構造改革路線で経済の浮揚図るが 低所得者の厳しく富裕層にやさしい政策に国民は反発 各地でデモが続き窮地に デモ参加者を治安部隊が弾圧 死者1名 ここまでで死者が合計3人 改善されない高失業率に社会全体にマクロン批判高まる

2018年12月4日 米NY株価 前日比799ドル。36セント 3.1%安 2万5057ドル7セント1日下げ幅で今年4番目 米長期金利は低下 一時2.88%(3ケ月ぶりの低水準) 長短金利の逆転 逆イールド傾向

2018年12月4日 フランス フィリップ首相 燃料税引き上げの6ケ月延期を声明 デモ鎮静化図る 財政赤字2.8%の達成困難に

2018年12月5日 NY 債券市場で11年ぶりに長短金利が逆転=逆イールド現象 景気後退の予兆

2018年12月7日 米NY株価 3日続落前日比558ドル72セント 2.23%安 2万4388ドル 米中貿易摩擦への懸念 英国のEU離脱問題の不透明感 アップルなどハイテク株下落

2018年12月10日 フランス マクロン 生活支援策を発表 譲歩へ

2018年12月10日 イギリス メイ首相 離脱案が英議会否決濃厚のため採決延期 → 2019年3月末 合意のないまま英国EU離脱が濃厚になった

2018年12月12日 イタリア政府 GDP比2.4%赤字 から2.04%に下げた案を提示して制裁回避を狙う

2018年12月13日 欧州中央銀行理事会 量的緩和政策の12月末終了を決定(当面 満期が来た債券については再投資して保有残高を維持する方針)→ 南欧諸国を中心に金利上昇懸念

2018年12月19日 FRBは来年の利上げペース4回から2回へ減速を宣言 2018年の機械的利上げ → 株価下落 内外経済の悪化に重大な責任

         利上げ回数を宣言して実行するという機械的利上げ手法 インフレ(物価上昇率 コアデフレーターは3ケ月連続で3%下回る)が生じていないのに利上げを続け株価暴落を招く 利上げはアメリカへの資金還流 新興国の景気後退 アメリカのバブル化につながるほか 住宅投資を押し下げる懸念も強い 住宅投資はすでに失調 7-9月期前年比マイナス 金利上昇プラス 鉄鋼 木材価格上昇で住宅コスト上がる 企業は減税で得た利益を設備投資の使わず自社株買いに回しているとされる

         このアメリカのFRBの「馬鹿な」政策のおかげで日銀は低金利を維持しつつ円安による企業収益改善効果を得られた。 

2018年12月19日 欧州委員会 イタリア提出の2019年修正予算案を承認 財政赤字を2.04%まで下げる妥協案

2018年12月19日(水) FRB年4回目の利上げを決定 FF金利の誘導目標を年2.00~2.25から2.25~2.50%へ引き上げ → トランプは批判しているが意外に正しいのではないか?

2018年12月24日(月) 米NY株価 下げ幅は一時450ドル 前週の週間下落率は6.9%  2008年10月以来10年ぶりの下落率

    株式の急激な下落はもちろん売りによって生じているが、株価変動率指数(別名 VIX指数あるいは恐怖指数)の数値が急上昇したことで、リスクパリティ型のファンドからこの指数に連動して機械的な

   売りが出ることが、相場の下げを大きくしているとされる。またこうした局面では安全資産である国債に資金が集まる。すると国債の利回りはむしろ低下することになる

        18年は法人税減税の増益効果10%ほど これが来年なくなる 欧州中国景気の減速 → 2019年は景気後退へ

2018年12月26日 5日ぶりに反発1086ドル25セント高の2万2878ドル45セント 4.98%過去最大の上げ幅

   株価が上下に激しく変動する背景として プログラム取引の影響が指摘されている。最近の話題はキーワードを読み取って売買する

   テキストマイニングタイプである。「利上げ」「FRBの保有資産縮小」などは売りの合図になる

2018年2月の株価暴落 

2017年10月18日 米NY株価 ダウ工業株30種平均は2万3000ドルにのせる

2017年11月30日 米NY株価 ダウ工業株平均2万4000ドル台乗せ  米主要企業の企業収益好調が背景

b2017年12月13日 米FRB FOMCで6ケ月ぶりの金利引き上げ決めるに 2015年12月に利上げ開始

2018年1月4日 ダウ工業株30種平均2万5000ドル突破(2013年5月に1万5000ドル超える 2017年1月25日に2万ドル台にのせる 11月30日2万4000ドル台のせ)日経平均は2万3000円突破(2017年10月13日に2万1000円台のせる)米予想PER21倍は2004年以来の水準(強気派は企業収益の拡大をさらなる投資の根拠としている しかし景気拡大は物価上昇圧力を生み結果としてFRBによる利上げを急ぐ判断につながるむ PBRは2.4程度 この時点の日本PERは16程度 PBRは1.5程度) バフェット指数は2017年12月上旬時点で日米とも120%近かったがこの1月上旬には130%を超えている

1月17日 ダウ工業株30種平均は2万5000ドル台のせる

1月18日 日経平均株価が続落 年初からの早い上昇に警戒感強い

1月19日 米長期金利2.66%台 2014年7月以来3年半ぶりの髙い水準

1月23日 日経平均2万4000円台乗せる 1991年11月以来26年ぶり

1月24日 一時108円台 4ケ月半ぶりの円高 ドル安

1月27日 ダウ工業株30種平均は史上初めて2万6000ドル台 株高 債券高という微妙なバランス(適温相場)の持続に懸念

1月29日 米長期金利一時2.72% 3年9ケ月ぶりの水準(背景にドル安を通じた輸入物価上昇) 米長期金利の上昇は株式相場の調整につながるとの指摘多し 日本でも長期金利が一時0.095% 2017年7月以来約半年ぶりの高水準 米株価29日に2017年9月以来の下げ幅 30日も一時300ドル下げる

1月30日 日経平均は5日続落 終値2万3291円97銭 5日間で800円超える下げ 1ドル109円を上回る円高(米金利の上昇にもかかわらず 日米金利差のため ドル調達コストが上昇しているためドル買い あるいは米国債の買いがおきにくい) 輸出関連株に対する調整色強まる

1月31日付けFOMC声明文 物価の上向きを予想 金融政策で段階的利上げを予告→米長期金利 一時2.75%に上昇(3年10ケ月ぶりの高水準)

1月31日 米財務省は2-4月に米国債発行を3-5年債中心に計420億ドル増やす計画を発表 → FRBの買い入れ額縮小の状況では市場消化額増加を意味する

     米議会が10年で1.5兆ドル(約165兆円)大型減税を成立させていることは米国債増発(借入必要額増加 米国の財政赤字拡大) 景気過熱(企業業績拡大効果) 物価上昇など上振れを予想させる

2月2日 雇用統計発表で1月の賃金の伸びの加速が指摘される

2月2日(金) 米長期金利は一時2.85%に急上昇(4年ぶりの水準 金融緩和による債券バブルの崩壊) 米金利の低位安定崩れる → 高いPER許容できず 米株価暴落へ(PER22倍から20倍に修正)ダウ工業株平均 前日比665ドル安 下落率2.5% 下落幅は2016年6月の英国離脱以来(3.4%)最大。2008年12月1日以来9年2ケ月ぶりの大きさ

2018年2月3日 米FRBはパウエル(64歳 弁護士出身 米投資会社カーライルの共同経営者を経験 2012年5月からFRB理事)体制に事実上移行(3日付けでパウエル氏が米連邦公開市場委員会議長に就任 5日に第16代FRB議長に正式就任

ジャネット・イエレン議長(71歳)は退任:在任の4年間 雇用優先の姿勢貫く 失業率は8%台から4%台 4.1%(2017年10月)へ低下 株価は上昇 物価上昇率は2015年に1%未満に低下、2%近くの1.7%まで回復)

2月5日から9日 下落 S&P500が下値の下限とされる50日移動平均を割った コンピュターが売りを加速 アルゴリズム取引の影響指摘される

2月5日 VIXは一時38と節目の30を大きく上回る 投資家が債券に殺到し 米金利は2.88%から一気に0.2%下落 5日米国株前日比1175ドル安=史上最大の下落幅 下げ幅4.6%は欧州債務危機問題深刻化した2011年8月以来 日経平均は2万3000円割れ 2017年12月29日以来 (米国株の下落は米経済の先行きへの不安を高めて FRBが利上げに慎重になる理由になる。逆に 株高を通じた米経済の上昇は、利上げ時期を早めにすることにつながる)

2月6日 日経平均は一時2万1000円を割る 年初からの上昇分打消しへ 米国株変動率指数VIXは一時50超える(2017年10月に9.19の過去最低に減少 2月13日に24台まで低下 リスクパリティという手法では相場変動率が高まると自動的に運用リスクを減らす)日本ではPERの髙いハイテク株に売り圧力 米国では米国株3営業日ぶりに反発 前日比567ドル高  このほかプットのチリ引きも盛んになる。空売り同様に相場の変動を激しくする恐れがある。

 トレンド追随型と呼ばれる CTA(商品投資顧問)と呼ばれる海外ヘッジファンドの売買も議論されている。CTAは、相場が上昇トレンドに入れば買い、下落トレンドに入れば売りに転ずる 売りは3段階にわかれる。

 最初はリスク許容量が減っただけ 持ち高を減らす。つぎは上昇トレンドが終わったとの判断で、買い持ち高をゼロに近いつける。最後は下落トレンドに転換したと判断して、持ち高を売りに傾ける。・・・このような機械的な売りがあることで、個人投資家が下値で拾おうとしても、相場の下落が続き成功しない。下落基調が長引くことにもなる。

2月7日(平昌冬季五輪開幕) 日経平均反発上げ幅一時700円越える

2月8日米VIX33まで上昇(前日比2割高い)米国株は再び急落 1月の高値から1割下落 日本株は11%下落

2月9日 取引終盤でS&B500 200日移動平均線を目先の下値を下回りアルゴリズムの買いが作動 反面1週間で株式ファンドから巨額の資金流出 過去最大306億ドル 日経VIXも30台後半まで上昇 為替1ドル108円台まで上昇 輸出関連株下落

2月12日から16日 米株は押し目買いで続伸 ハイテク株や金融株(金利上昇は収益に有利 市場変動の拡大でトレーデイング収入の増加期待)など。米国株が戻ると買われていたドルが売りにだされ、円高が進んだ(15日一時106円台前半)。株が下がると安全資産とされる通貨が買われる。これはリスク回避の動き。同様のことは日本市場でも株が下がると円が買われる傾向がある。円高は日本企業の業績には逆風。米株が上がる中、輸出企業の業績悪化懸念から、機械や車などが下げて日経平均は続落した。

2月13日 一時1ドル107円32銭(108円を突破)・・・・2017年末には114円台だった。

2月14日米国 株価は4日連続続伸 金利は午後に一時2.92% VIXは5日の37台から19台に低下 節目の20を下回る 円は1ドル112円台半ばまで買われた。日本の株価は一時2万1000円割れ。

2月14日日本 空売り比率(売買代金に占める比率)14日連続で40%超える(通常は30%台 これまでの最長記録11日超える)日本株 日経平均採用銘柄予想PER12倍台に低下 米VIX20以下に低下。

 株式 割安感から不安定な展開 予想PERは約13倍と低下。懸念は企業業績鈍化懸念、円高相場の影響。日本株戻り遅い。金利上昇は金融株にはメリット

2月16日 円相場一時105円台 1年3ケ月ぶりの高値(米財政悪化の懸念など 円高で円高恩恵銘柄が注目 原材料輸入するエネルギー関連・製紙 海外旅行会社など) 

2月12~16日 日米とも株価反発

2月19~23日 外人投資家の売りを個人と自社株買い 投信が吸収

変動性指数の低下により下値不安薄らぐ

MRF残高高水準(13兆円弱 昨年後半株高で利益を確定した現れ)

個人マネーの復帰 経験則「3月上旬は株価があがりやすい」「毎月第一営業日の株価は上昇しやすい」

不安要素は米国の金利 物価上昇が加速すると上昇 長期金利が節目の3%にのせるかどうか 2月上旬の株価急落で米国株のPERは先行き1年の予想ベースで16倍台に低下(益回りは6%近くに回復。イールドスプレッドは回復して株に資金が戻ることを正当化している)。

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