Entrance for Studies in Finance

自動運転車

周囲の状況を判断して、システムが加減速 ブレーキをかけるといったすでに実用化されているレベルから、高速道路での追い越し合流、さらに完全自動運転まで実証実験が進んでいる。自動運転車と配車仲介サービスを結びつけることも熱心に研究されている。興味深いのは車のメーカーだけでなく、グーグル(2009年開発に着手 2014年5月に試作車公開)やアップルが熱心に研究していることだ。つまり人ではなく人口知能(AI)に運転が任される時代。車に乗っている間も運転から解放されて、ネットと接続されて音楽や通信を楽しめることが予想されている。スマートカー、コネクテッドカーとも。

欧州で自動ブレーキの有無が2014年から安全格付けの対象に。米国では自動ブレーキ搭載車の保険料が下がるように。日本では富士重工業などが自動ブレーキ「アイサイト」(富士重工業は2010年に実用化で他社に先行)に積極的。搭載の有無が販売に影響するようになったとされる。アメリカではNHTSAの要請を受けて新車について、日米欧10社が自動衝突回避ブレーキの標準搭載が決まった(2015年9月)。その後2016年3月には世界の自動車メーカー20社との間でNHTSAは2022年までに米国で売る全車種に衝突回避の自動ブレーキを搭載することで合意した。これは車の安全性について、重要なサインだろう。タカタのエアバック問題GMの欠陥スイッチの問題。自動車メーカーの姿勢が問われているのではないか。
なおトヨタはシリコンバレーにTRIを2015年11月設立してAI研究を本格化させている(予算規模は5年間で約10億ドルとされる)。  ところでシェアリングエコノミーがこの問題に絡んでいる。車についてもライドシェア(相乗り 自家用車配車)のほか、カーシェアリングの普及が始まっている。これらのアプリサービスにさらに車の自動運転技術が加わることで、車の多様で効率的な利用が可能になるとされる。車のメーカーが配車アプリのメーカーと組む動きが広がっている。トヨタが配車アプリのウーバテクノロジーズに出資。ウーバはライドシェアサービスも手掛けており、トヨタはリースでの車の提供を考えている。VWはおなじく配車アプリのゲットに3億ドルを出資。GMはおなじくサイドカーを買収、またリフトへの5億ドル出資を決めて自動運転EVの開発を進めている。
日本の各メーカーでは自動運転車の商品化は2020年頃とみているが、これには法整備(自動運転時の責任を車のシステムへ)の問題も絡んでいる。

自動運転のメリット 交通事故減少 渋滞の緩和 CO2削減など 開発のメドは2020年 その後量産化へ

関心を寄せられる問題に自動運転中に事故があった場合の責任問題がある。16年6月に日産が自動運転車を200万円台の普及価格帯で売り出したことは同社の戦略としても注目された。

 東洋経済 2016/07/22

グーグルはドライバーレスカーの早期実用化を目指している。2016年5月 テスラモーターズの車が自動運転中に車と衝突する死亡事故が発生し、レベル2での安全性をなお疑問視する声が出ている。これはテスラが手を放して運転しても警告音を無視して走り続けられる仕組みにしていたことが原因。テスラは人命軽視を厳しく非難され、ソフトの刷新に踏み切った(2016年9月)。この転換はしかし当たり前のことではないか(テスラは電気自動車ベンチャーとしてしられる。2008年に高級車ロードスター発売開始 2010年にトヨタと資本提携 ナスダックに上場 2012年新型セダン 量販型 発売開始。自動運転システムの搭載に熱心。一人の工員が多くの工程をうけもつ生産ラインを作り上げた)。

自動運転の段階 ➡ サイバーリスクが指摘されている 乗っ取りの可能性

第一段階 アクセル ハンドル ブレーキのいずれか一つ車側が自動運転(すでに実用化)

第二段階 複数の操作を自動運転(一部は実用化済) 自動で車線を変更して追い越す 合流するなど 2018年 日産がセレナで変更可能

第三段階 通常は自動運転 緊急時はドライバーが対応 この第三段階以降 責任を運転者からシステム側へとされている

     ドイツのアウデイが2017年秋にも発売する(2017年7月)中央分離帯のある高速道路を時速60キロ以下で走行しているとき

     トヨタ、ホンダは1920年目標。グループのフォルクスワーゲンは排ガスでイメージ最悪。全世界で販売ダウン。(道路上での人間の運転手とのやり取りに課題があるとされる)

第四段階 CPがすべてを自動運転 (現在の日本政府の目標は2025年に完全自動運転) グーグルが公道で実証実験 フォードが21年までに量産

     2020年に地域限定で無人の自動運転車解禁。2025年国内で完全自動運転車の市場生まれる。

自動車の将来:燃費技術とともに消費者が重視する自動運転技術 交通事故という問題の解決 

まずは自動ブレーキから始まったがこれは高齢化を背景に消費者のニーズにあったようだ。予想よりも搭載率が高い結果となっている。

富士重工業:2008年に国内でほかのメーカーにさきがけて独自の安全技術アイサイトを実用化。2010年から新型車に搭載。ステレオカメラで歩行者や障害物を感知。自動ブレーキで車両を減速停止させるもの。2020年代に自動運転の実用化目指す。
 現在は時速30km以下ら衝突前の停止可能(2014年中にも時速60kmでも衝突回避可能を目指す カギは画像処理技術 現在の技術でも50kmであれば自動停止可能ともされる)
 2012年以降 マツダやダイハツ工業が類似機能搭載車を発売。
 ダイハツのシステムの名前は「スマートアシスト」。検知できる対象物を限定することで価格上昇幅を5万程度とした(他社は10万程度アップ)。
 車載器のみで走るものを自律型。高速道路交通システムITSで取得する渋滞情報など外部情報も利用する「協調型」に大別される。

この自動ブレーキからお話しは自動運転に移っている。大規模な実験施設が作られつつある。

 交通事故の犠牲者を減らし 自動車に乗っている時間の有効利用が可能になる。商用車では運転手は長時間運転の負担から解放 受発注処理 商品の搬出入 駐車場所の確保などに専念。

 カメラとミリ波レーダーで白線と前方車両の走行位置を割り出し、車線内での最適走行位置を割り出すもの。無線技術を活用。前後の車両を無線でつないで走行情報をたがいにやりとりすることで車間距離を保つ(ACC:adaptive cruise control)。 自動車周辺の情報を高性能コンピュータで瞬時に解析して自動運転するというもので、ビッグデータ(自動車が生み出す位置や速度についての膨大な情報)の活用問題。あるいは自動車がネットとつながるsmart carの問題と重なっている。独力で自動運転技術の開発を進めていたグーグルが2014年1月、ホンダやGMなど自動車4社とのシステム開発での提携を発表している。車とネットの融合が、メーカー間の提携という形で現実化してきたことが注目される。ホンダは世界で初めて時速60㎞で走行していても止まることのできる技術を開発したとされ(2014年1月)2014年内にも国内販売の高級車に搭載を予定している。。

 トヨタ:高速道路での自動運転を2010年代半ばに実用化。安全運転支援システム(レーンキープアシスト機能 車線の中央を維持するシステム)。すでに高級車に一部導入しているが2015年をめどに自動ブレーキを大半の車種(量販車)で導入の方針。車両間通信の開発(事故や渋滞の解消につながるとされる)。

 デンソー:ミリ波レーダー(対象物の位置や相対速度を検知) 画像センサー(対象物の種類を検知) 走行支援ECU(検知情報をもとにクルマの動きを制御)などの開発を進めている。

 日産:自律型自動運転を2020年までに実用化。2015年以降 ハンドルを自動操作し障害物を回避するシステムを搭載した車の市販を表明。こうした各社の動向の背景には、高齢化という社会背景のもとで消費者と社会のニーズが想定以上に高いということがるようだ。

 燃費の改善 渋滞の解消にも有効とされるが 配車された車で自動運転で目的地に到達。その後車はまた自動運転で格納されるとすれば、自家用車を不要とする時代がすでにきているのかもしれない。→ 自動運転技術 運転支援システムや自動運転技術を前提にした法改正が必要 → 責任はシステムを提供するメーカー側に

 効率改善に生かす 3台以上連結して走らせた隊列走行させる:法整備必要 ・ 無人運転のバスでの高齢者送迎

自動運転とライドシェア(相乗り)との関係も注目される(日本では一般的には白タクとして道路交通法で禁止。過疎地、戦略特区で認めている)。米ウーバーテクノロジーズ(スマホで呼び出すと近くにいる運転者が目的地まで送るサービス 世界70ケ国で展開 2016年6月 サウジの政府系ファンドPIFが35億ドル出資して話題になる  だが急成長した同社はパワハラ セクハラの宝庫でもあった。)は米サンフランシスコで自動運転車の試験的な提供を始めた(2016年12月 シェアと自動運転とがむすびつくとされる)。日本では自家用車での有償運送が原則禁止されていることがライドシェアが開始されない壁になっている。

ライドシェアは一面で自動車需要の減少、車離れにつながるとされる。他方で自動車の稼働率が高まり、運転コストが低下する、ライドシェアビジネス(広くもビリティサービス)に自動車メーカー自身が参入余地があるとの意見もある。つまりライドシェアの影響は多面的で、いろいろな可能性を含んでいる。→ カーシェアリングを提供できるか。

世界経済フォーラムが呼びかけ、グローバル企業27社(トヨタ、日産、GMなど)が連携して実証実験を開始される(2016年12月)。大規模な国際的な企業の連携として注目される。世界共通の基準などが話題になると考えられる。

コネクテッドカー(インターネットに常時つながる)

2017/07/18(2016/12/18更新)

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