1994年12月に智頭急行智頭線の開業により、新大阪から鳥取・倉吉間の運転用に登場したのが、HOT7000である。京阪神から鳥取へは、それまで山陰線や福知山線経由の特急列車を利用するのが一般的であったが、それに比べて1時間も短縮した。京都から鳥取の場合智頭急行を経由した場合の方が約20kmも長いにもかかわらず運転時間は短いといった現象が生じている。しかし、山陰線はカーブが多く、単線区間も存在するなど高速運転には不向きであるが、東海道本線、智頭急行線は連続して高速運転が可能であるためである。加えてHOT7000系は高速運転が可能な気動車として、1両に2基の355PSエンジンを搭載し、かつ振り子機構を備えてカーブの通過速度をアップさせたことによる。HOT7000で運転される特急列車は「スーパーはくと」との名称がつけられたが、これは日本神話の「因幡の白兎」(いなばのしろうさぎ)に由来し、「白兎」の音読みとなっている。形式称号のHOTとは、智頭線の沿線である兵庫県の「H」、岡山県の「O」、鳥取県の「T」を組合せ7000系は機関出力が約700PSであることに由来する。東海道線内、智頭急行線内では130km/hの高速運転を行っている。智頭急行線にあるトンネルの前後での高速運転は圧巻である。上りこう配でもゆうに100km/hを超え力行しトンネル通過後の下りこう配では130km/hの惰性・制動運転が続く。2度のリニューアル工事が実施され現在は、京都-鳥取・倉吉間で活躍中である。
模型は、マイクロエース製
非貫通先頭車(大阪向き) HOT7000形 7002
中間車 HOT7040形 7042
中間車 HOT7030形 7033
貫通型先頭車 HOT7020形 7022
中間車 HOT7030形 7034
非貫通型先頭車(鳥取向き) HOT7010形 7012
先頭に出ることもある貫通型の HOT7020
智頭急行が運営する智頭線は、もともと山陰-山陽連絡路線の1つである国鉄智頭線として、鉄道公団により建設が進められていたが、国鉄の経営悪化を受けて、国鉄再建法によって建設が凍結されることになった。この時点で智頭線は、用地の95%、路盤の30%、軌道の10%まで工事が完成していた。昭和58年、当時の鳥取県知事よって智頭線について第三セクターによる運営引き受けの検討を行い、国鉄との特急列車の直通を行えば黒字化が可能との調査結果を得た。こうして誕生したのが智頭急行鉄道智頭線である。多くの第三セクターが誕生したがそのほとんどは赤字にあえいである中で、現在智頭急行は収益トップの座にある。
2016.07.26 N-0101
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