クイーン メリー 2 の船内に掲げられている
「Blue Riband ブルーリボン賞 」 の歴史 ・・・
「Blue Riband ブルーリボン 」 とは、
毎年、大西洋を最速で越えた船に贈られた賞のことです。
1830年代に始まり1950年代まで、
ヨーロッパそしてアメリカの船会社は、
威信を賭けてこの賞にチャレンジしました。
ちなみに、キュナード ラインは、
最も多くのブルーリボン賞を獲得しています。
(4月24日のブログ参照 )
初代クイーン メリーは、
就航した年 (1936年 ) にブルーリボン賞に輝きました。
コロンブスの発見以来、
『New World 新大陸 』 と呼ばれたアメリカ ・・・
19世紀、
大西洋 (アメリカへのゲートウェイ ) を越えることに
ヨーロッパの人々は熱狂しました。
小さなヨットや手漕ぎボートで大西洋超えに挑戦する
無謀な人たちも現れました。
当時のメディアは、
そんな様子を 『Crazy クレージー 』 と表現しています。
QM2 の船内には、キュナード ラインの船で大西洋を越えた
著名人のエピソードが紹介されています。
Charles Dickens
チャールズ・ディケンズ (1812年ー1870年 )
小説 『Oliver Twist オリバー・ツイスト 』 や
『Christmas Carol』など、
ヴィクトリア期を代表するイギリスの作家。
彼の大西洋を越える船旅は、船酔いに苦しめられ、
あまり快適なものではなかったようです。
Oscar Wilde
オスカー・ワイルド (1854年ー1900年 )
退廃的で耽美主義者 ・・・
特異な才能で知られるアイルランドの劇作家。
彼は、到着したニューヨークでの入国審査に際し、
こんな言葉を残しています。
『私が天才であるということ以外何も申告することはない 』
Mark Twain
マーク・トウェイン (1835年ー1910年 )
『トム・ソーヤーの冒険 』 で知られるアメリカの作家。
彼は、
多くの時間をデッキで過ごし、船旅を満喫したとか ・・・
また、人々が大西洋超えに狂騒した時代を
象徴するかのような出来事も ・・・
1844年、ニューヨークの新聞に、
『気球が3日間で大西洋を越えた 』
という記事が掲載されました。
Edgar Allan Poe
エドガー・アラン・ポー (1809年ー1849年 )
怪奇小説で有名なアメリカの作家。
新聞記事は彼の投稿 ・・・ しかもつくり話でした。
人々の関心を集めようとしたのでしょう ・・・
人気が衰えた晩年の作家の、少し物悲しい逸話ですね。
jfk-world