川本楼 の南側 ・・・
3階部分に開口部が見えます。
これは『無双窓(むそうまど)』 ・・・
格子状の板をスライドさせる仕組みです。
採光や通気のための窓ですが、
板を2枚重ねることから
『無双』と呼ばれるのでしょうか。
(3階から見た光景)
ところで、戦前このあたりは
豊かな田園が広がる場所でした。
(特に川本楼の南側は)
ここに住み込んで働いていた
娼妓たちの多くは、北陸や山陰、
そして九州の貧農の出身 ・・・
無双窓から入ってくる畑の匂いに、
ホームシックになったそうです。
(電灯の回転スイッチ)
さて、大正期、
すでに電気、ガスは通じていました。
ところが、
電気は計画停電があったりで安定せず、
そのため、
非常用にガス灯を併用していました。
しかし、娼妓たちの部屋は電灯だけ。
そこで、停電時の明り取りのために
欄間が設けられました。
実は、女性らしいこのくし形の欄間には
もうひとつ目的がありました。
当時、冬の暖房は火鉢 ・・・
一酸化炭素中毒の防止です。
思えば、
ガス灯に浮かび上がる川本楼は
さぞ不思議な雰囲気だったでしょうね。
Yanni
ヤニー
ギリシャ出身のミュージシャン。
母に捧げる曲でしょうか。
彼のピアノは実に流麗です。
JFK-World