奈良県大和郡山市、遊郭の遺構 川本楼 。
その3階 ・・・
そして、2階 ・・・
幅半間(はんげん 約90cm)の
廊下の両側に、
3畳の客間が全部で14 ・・・
4畳半が2部屋あります。
娼妓たちはこの客間で暮らしていました。
究極の職住接近です。
これは板畳(いただたみ) ・・・
0.75畳分のスペースです。
(別の3畳間)
生活に必要な
鏡台やタンスなどをここに置きました。
1階には台所があります。
娼妓たちはまかない付き・・・
この板の間で食事をとりました。
総菜は質素ですが、振る舞われる白米に
『ありがたい』と涙する娼妓もいたとか。
こちらは、
帳場 だった部屋。
ガラスの向こうは
遊郭の経営者 川本家の大広間です。
ここに展示されているのは
娼妓たちの食器棚 ・・・
遊郭の頃には
台所に置かれていたものです。
娼妓たちの年齢はほとんどが20歳前後。
中には14~15歳も ・・・
若くして亡くなる者も
少なくなかったそうです。
Jim Croce
I Got A Name
ジム・クロウチの1973年のヒット曲。
彼はこの年、飛行機事故で他界。
♪私には歌がある、夢がある
そして、名前がある♪
人の名前は、
すべて親の思いや願いです。
JFK-World
白米に涙する…。
胸が締め付けられそうです。
貧しさゆえの話ですね。
今、形を変えて、社会が、貧しくなってきたことを実感しています。
食器棚を見た時、いまは女性であることを示す単なる記号になってしまいましたが、親からもらった大事な名前なのだと思うと涙がこぼれました。
こういう建物が残っていることはとても意義深いと思いました。
壊すのは一瞬ですが、守るのは根気が必要ですね。
川本楼は、地元のボランティアが一生懸命保護に努めていらっしゃいます。
ありがたいことです。