よく、高校野球で最後のバッターが一塁へヘッドスライディングする姿を見ます。
また、一塁ランナーがけん制の時に帰塁する場合にもヘッドスライディングをする姿を見ます。
他にも、ここぞというきわどい場面に帰塁するようなときにもヘッドスライディングする場面を見ます。
このヘッドスライディング。
いかなる場面においても、チームに士気を与えるプレーでもあります。
でも、バッターランナーの一塁へは「駆け抜けたほうが早い」という説がありますし(現在はヘッドスライディングが上手な選手の場合、ヘッドスライディングの方が早いことが示されることも多いとのこと)、そもそも、
① スライディングはあくまでタッチを避けるため
② 塁を踏み越えてオーバーランしないように、かつ急減速するため
③ 野手との不要な衝突を避け、危険防止を図るため
などを目的としているはずです。
でも、正しくスライディングをしないと③どころか、不要なケガにつながってしまうのがヘッドスライディングですよね。
今年、K陵中でも三人の選手が帰塁の際でのスライディングで指を骨折しています。
そのうちの二人はヘッドスライディングでの骨折です。
ベースへの帰塁方法が未熟であり、指でベースタッチするようにすると、指の骨折の危険性がかなり高くなります。だからと言って、手のひらでベースタッチをするようにしても、手首の捻挫の可能性もあります。
プロでも今年、ホークスの松中選手が6月16日のベイスターズ戦で一塁へのヘッドスライディングの結果、左手首を捻挫して登録抹消されています。
他にも肩の脱臼や、偶然にも野手にスパイクされてしまうことだって考えられます。
プロ野球などで、バッターが出塁した時にバッティンググローブを手に握っている場面があります。あれは、手をじゃんけんのグーの状態にすることによって、このケガ防止を図っているという話もあります。
守備側はルール的には野手はボールを捕球する体勢に入ったらランナーをブロックしても良いとなっていますので、ヘッドスライディングの場合にはケガの可能性はより高くなってしまいます。
そう、K陵中でのケガの一人は野手に指を踏まれた(?)ことで骨折した感じでした。
無理をする場面と、そうでない場面をしっかりと考えたプレーが必要であるとともに、特に小さい子や野球を始めたばかりの子には、そういう危険性があることを充分に教えておかなければいけません。
アウトになりたくないという気持ちの現われのプレーですが、大きなケガをするリスクもあります。