長野県松本市奈川地区にある野麦峠周辺に古くから伝わる、ご当地そばに、「とうじそば」があります。ちょうど、「新そば」の季節でもあり、奈川地区まで行ってきました。
奈川地区は、すぐうしろに飛騨高山をしたがえ、乗鞍岳をはじめ四方を山にかこまれた場所にあり、東京方面からは中央高速道路の松本IC降りて、国道158号線を上高地方面に向かい、超難所の奈川度ダムトンネルの中の分岐を左に入り、県道26号線を進んで行きますと、奈川地区に約1時間で到着します。
また、松本市奈川地区はさまざまな歴史が行き交った場所です。この地区をとおる野麦街道は、かつて日本海から飛騨に入った「飛騨ぶり」などの海産物を人の背(ボッカ)と牛の背(尾州岡船)で信州へ運搬する重要ルートでした。また、明治時代には製糸業の隆盛とともに、飛騨の製糸工女さんたちが野麦峠を越えて、岡谷地方とを往来していました。
今回、とうじそばをいただいた福伝さん。お店の中は落ち着いた雰囲気で、薪ストーブが焚いてあり、最初に温かいお茶でおもてなししてくれます。
松本市奈川地区は明治時代末までは田んぼがなく、畑から収穫できたのは、そば、アワ、キビ、ヒエ、大豆、小豆など中心でした。昭和時代初期までは1日3食のうち2食はそばが主食であったそうです。そして、お客さんへのおもてなしとして、出されていたそうです。
「とうじそば」とは奈川地区に古くから伝わる郷土料理で、根曲がり竹で編んだ、ひしゃく型の「とうじかご」にゆでそばを入れ、たくさんの具を煮たてた温かい鍋に、かごごとそばを浸し、しゃぶしゃぶのようにさっと温めて食べます。そばをつゆに浸ける事を「湯じ(とうじ)」といい、これが「とうじ」の語源ともいわれています。
具は特に決まっているわけではないそうですが、カモやキジなどのお肉、キノコ、油揚げ、刻みネギなどを入れ、しょうゆベースのつゆを張った、お鍋をカセットコンロなどで温めながら、いただきます。つけそばと違って、ずっとつゆを温めていますので、いつまでも熱々でいただくことができます。
鍋につゆが残ることになるので、最後はご飯などを入れて雑炊を楽しむこともできます。
ごちそうさまでした。
■外出の際は、手洗い、咳エチケット等の感染対策や、「3つの密」の回避を心掛けましょう。
■新型コロナウイルス感染対応を呼び掛けている場所やお店などがある場合は、指示にしたがいましょう。
■お出かけの際は、各施設、イベントの公式ホームページで最新の情報を確認しましょう。
私のブログにお越しいただいてありがとうございます。また、明日、ここで、お会いしましょう。