野球小僧

営業時間外

私のブログにお越しいただいてありがとうございます。新型コロナウイルスによってお亡くなりになった方々のご冥福をお祈りするとともに、罹患された皆様に心よりお見舞い申し上げます。また、どうか、みなさまとご家族、関係者の方がご健康であっていただければと思っております。1日でも早く流行が終息の方向に向かうことを願っております。

新型コロナウイルスのニュースばかり。私のブログ記事も、関連するものが多くなってしまっています。そこで、今日は気分転換に、「行き場のなくなった(つまり、公開タイミングを逃してしまった)ブログ記事」です。

日本では働き方改革実現進会議が提出した「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(働き方改革関連法)」が2018年6月29日に可決・成立し、2019年4月から施行されています。 この法律は、「長時間労働の是正」、「正規・非正規の不合理な処遇差の解消」、「多様な働き方の実現」という3つが柱になっています。

具体的には、次の7つを具体的な取組みとして挙げています。

(1)非正規雇用の待遇差改善
(2)長時間労働の是正
(3)柔軟な働き方ができる環境づくり
(4)ダイバーシティの推進
(5)賃金引き上げと労働生産性向上
(6)再就職支援と人材育成
(7)ハラスメント防止対策

最近では、年中無休24時間営業のコンビニや外食産業で、時間短縮や休業日を設定したりして、この正月では、例年は元日営業していた近所のスーパーやドラッグストアなどでも、3日くらいまで休日設定している、ひと昔前までは当たり前のような風景が戻って来ています。

さて、2014年2月17日にエチオピアのアディスアベバ・ボレ国際空港からイタリアのミラノ・マルペンサ国際空港へ向け飛び立ったエチオピア航空702便(ボーイング767)が、経由地のローマ・フィウミチーノ空港へ向かう途中のスーダン上空でハイジャックされました。

犯人は副操縦士。機長がトイレへ行ったときに副操縦士がコックピットのドアをロックし、自ら操縦する旅客機をハイジャックしてエチオピアから他国への政治亡命を図ったのです。当時、エチオピアでは反政府活動をした者に厳しい弾圧を加えており、他国へ亡命する人が増えていた時代でした。

スイスのジュネーブ上空で旋回しながら、自らをエチオピアに引き渡さないという保証が得られるまで、ジュネーヴ・コアントラン国際空港の航空交通管制と交信しながら、数分間旋回していましたが、燃料が残り10分になったところであきらめ、ジュネーブ・コアントラン空港へ着陸。副操縦士はコックピットの窓から外へロープを投げて降り、自身をハイジャック犯だと認めたところで警察に逮捕されました。乗客・乗員に負傷者はいませんでした。

この便は、それぞれの国の領空を飛行する間、イタリア空軍やフランス空軍の戦闘機にエスコートされていました。

欧州の小国では自国の防衛を、同盟を結んだ他国に依存していることがあり、スイス防空に関してイタリア・フランスと二国間協定を結んでいる一方で、スイスもリヒテンシュタインの防衛を担当しています。今回のハイジャック事件は、もちろんフランス空軍がスイス領空での危険な飛行をエスコートするための許可を得ていたからですが、永世中立国であるスイスにも軍隊はあり、空軍もあります。

問題はハイジャックの起きた時間が深夜であり、ジュネーブへ着陸したのも早朝6時すぎだったことでした。

いつの頃からは不明ですが、冷戦終結後のスイス空軍は朝8時から夕18時までを業務時間、月曜から金曜までを業務日としており、防空システムこそ24時間体制で稼働しているものの、戦闘機によるスクランブル(領空侵犯対処任務)は業務時間内にしか行っていません。よって、このハイジャック事件の際のスイス空軍は、「業務時間外」であり、フランス空軍が任務を肩代わりした形となっていたのです。つまり、「完全週休2日、残業なし」という、日本でいうホワイト企業がスイス空軍戦闘機隊の勤務形態なのです。

そもそも、スイス軍といえば第1次世界大戦でも第2次世界大戦でもどちらの勢力にもつかず、どちらが侵入してこようが武力で中立を維持しており、第2次世界大戦では厳重な国境警備と有力な空軍力を維持し、実際に間違って侵入してきた飛行機に対しても遠慮なく戦闘機や高射砲で攻撃してきました。

過激ではありますが、これは1907年の万国平和会議(ハーグ会議)で定められた国際法上の「中立義務」を果たすためであり、このように平和主義どころか、戦う意思あってこそであるため、スイス軍の精強さは世界中に知れ渡ります。傭兵の歴史を持つスイスでは、国民皆兵を国是としており、徴兵制度により21万名の予備役を確保しています。しかし、常備軍を構成するのは陸軍・空軍合わせて約4,000人となっています。

さらに、国土が狭く、観光資源に経済の多くを依存した国なため、早朝や深夜、観光客が多い休日に派手な爆音を轟かせて戦闘機が緊急発進するのは、好ましくないということもあり、営業時間外はスクランブルなしとしてしまったのです。

なお、スイス空軍の名誉のため(?)ではありますが、営業時間内ならさすがに出動しており、2016年7月6日にイスラエルのエルアル航空機のテロ未遂事件があった時には、朝8時半だったこともあり、しっかりとスクランブル出動しています。

そんな(?)スイス空軍ですから、パイロットの技量はそれなりだろうと思えるのですが、他国との共同演習などでは好成績だそうです。それでも、それなりのこともあるようでして、2019年7月に飛行隊パトルイユ・スイスが曲技飛行の会場を間違えて、予定していたのとは違うヨーデル祭りで航空ショーを披露してしまうという、事件(?)がありました。

ですが、曲技飛行に使われたF5Eタイガー機にGPSの装備はなく、計器は40年以上前のナビゲーションシステムしかなく、準備は地図を参照して行われたそうです。パトルイユ・スイスは、航空自衛隊のブルーインパルスに相当する飛行隊です。HPにはパトルイユ・スイスの曲技飛行について、「スイス空軍の実践能力と精密さ、即応態勢」を披露する場と位置付けているのですが。

そもそも冷戦終結で空軍の仕事もそれほど必要ない、という判断で24時間年中無休体制を解除して、週休2日残業なし体制にしてしまっていたわけですが、冷戦など関係無く空軍機が必要な時はいつでも起こり得る、という当たり前の事態を受けて改善するとのことです。

2017年からは週末も防空任務をスイス空軍自ら行い、2020年には武装した戦闘機2機がいつでもスクランブルできる体制を整える、とされました。

しかし、それはいわゆる「宿直制」のようなものであり、業務時間の延長については、少なくとも2021年までは組織として24時間年中無休体制が整うことはないとも言われています。

中東で、いろいろとにらみ合っている両国軍も、スイス空軍を見習った「働き方」で、ムダな争いをしないようにと思うばかりです。

「働き方」は、「暮らし方」「生き方」にもつながりますから、私たちの生活上の幸福や充実を目指す改革にしていく必要があります。

二度と来ない今日のために、大切に過ごしましょう。そして、また、明日、ここで、お会いしましょう。

コメント一覧

まっくろくろすけ
eco坊主さん、こんばんは。

「働き方改革」・・・変わりましたよ~。時間的制約だけが先行し、やること(やらされること?)は細かく、短納期になり、多くなる・・・ですかね。

今は、在宅勤務とか、時差出勤とか、印鑑廃止とか、(上司との)ソーシャルディスタンスとか、従来の働き方を変えつつあるところもありますが、この騒ぎが治まれば元に戻っていくのでしょうね。仕事への免疫とでもいうのか、自然と受け入れてしまうのが嫌なのですが。

ですが、私には仕事への免疫だけはいつまでたっても出来ないのですよね。
eco坊主
おはようございます。

『働き方改革』という言葉だけが先走りしている感は否めません。
私が知っている具体的な内容だけでも・・・ここには書けませんけど。
>「働き方」は、「暮らし方」「生き方」にもつながりますから・・・
↑ソーナンス!本当で「暮らし方」「生き方」にちゃんとつながっているかだ大事なんですよね。何でもかんでも一括りにしてしまう風潮は・・・

コロナの今もですが、終息が見えてきたときどんな働き方になろのでしょう!?


自分にできる事を徹底して行い、免疫力向上と感染拡大防止に努めます。
ここにお越しの皆様もどうかお気をつけください。
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