「決断へ」「決断か」というような言い回しではなく、「退団」で小さく「決定的」と書かれています。
今季、中日ドラゴンズ最多の13勝(9敗)を挙げたオネルキ・ガルシア選手が今季限りで退団することが決定的になりました。条件面で折り合わず、11月30日が提出期限だった保留選手名簿から外し、自由契約(12月2日公示)になることが決まったのです。何たることです。
シーズン終了後に交渉を本格化させたものの条件面で折り合わず、球団は再契約を断念せざるを得なくなりました。
2年目の活躍となれば、ちょっと怪しいものはありますが、それでも来季も先発ローテの一角として計算されていたはずのガルシア選手の退団。来日1年目の今季はチームで断トツの13勝(2番目が笠原祥太郎選手と松坂大輔選手の6勝)、防御率2.99(2番目は規定投球回数に達した選手がいません)をマークするなど、いきなりエースの働きを見せてくれたのですが。
今季のガルシア選手は開幕から先発ローテション入りすると、よもやの活躍。血行障害でシーズン途中で帰国したジー選手の不在を補ってあまりある働きを見せてくれました。オールスターゲームにも選出され、まさしくジャパニーズ・ドリームを実現させました。
10月に米国に帰国した際は「こんなに勝てるとは思っていなかった。ドラゴンズに感謝している」と残留を希望しつつも、今季の推定年俸5000万円から大幅アップを要求してくることは予想していたと思われます。金銭闘争となればシビアな交渉になるのが、世の常ですが。
10月末からは、前監督の森繁和シニアディレクター(SD)が恒例のカリブ海巡り。キューバやドミニカ共和国などに滞在し、ビシエド選手やアルモンテ選手ら他の外国人選手と並行してガルシア選手とも残留交渉などに当たっていたそうです。
ガルシア選手は年俸2億円超の複数年契約を希望したとみられ、マネーゲームに進展したまま、両者の溝は埋まらず、再契約を取り付けることはできなかとのことです。
球団としては、ガルシア選手に代わる先発ローテーションピッチャーの調査を本格化しているそうです。
自由契約として公示された後は、他球団との交渉が可能になります。もしかして、もしかして東の方の球団が獲得に動くかもしれません。
でも、いいんです。やっぱり、お金に誘われて移籍した外国人選手がいましたが、ほとんど活躍出来ず、シーズンオフには他球団で戦力外になって入団した選手に背番号を奪われてしまうことになってしまいましたから。
さて、一方でオリックスバファローズから自由契約になりそうな、金子千尋選手の獲得話が出ています。
金子選手は減額制限(1億円超は40%)を大幅に超える5億円減の年俸1億円を提示されたらしく、バファローズとの契約がまとまっていません。もともとドラゴンズは、4年前のオフに当時の落合博満GM、谷繁元信監督が国内FA宣言の金子選手獲得の争奪戦に挑みましたが、結局は残留となりました。
今季のドラゴンズはチーム防御率4.36は12球団ワースト。当然ながら、今オフはピッチャー陣の立て直しが主体になるはずですが、ここまでドラフト以外は補強はありません。当初、バファローズからFA宣言した三重県出身で準地元の西勇輝選手の獲得話がありましたが、マネーゲームに参加するのは難しいところもあるとして断念を余儀なくされています。
金子選手については先日、落合博満さんが、自身が監督だったら「絶対(獲りに)行きますよ。誰が何を言ったっていきますよ。まだやれる」と断言し、「金子を獲ることで吉見が生きる」「2人ともトヨタ(自動車出身)なんですよ。吉見は金子をずっと追いかけてる。相乗効果を考えたら絶対獲りにいく」と、社会人野球のトヨタ自動車出身で35歳の金子選手と、1学年下の吉見一起選手の相乗効果を狙って中日が金子獲得に動くべきだと熱弁していました。
私もこの意見には賛成です。
ただ気になるのは、昨年入団した松坂選手との関係。それなりの実績を持っているベテランが二人になるのはチームバランスを考えてどうなのだろうか。
そこだけが心配です。