「FA西、阪神入り決断! 虎、資金面劣勢もタカに勝った」
というニュースが先日、サンケイスポーツ関西版で流れました。「オリックスバファローズから国内フリーエージェント(FA)宣言した西勇輝選手が阪神タイガース入りを決断したことが27日、分かった」というものです。
しかし、西選手は28日に自身のオフィシャルブログ「西勇輝のニコニコ日記」を更新、「今朝の一部報道について僕から説明させていただきます。まず、現時点で決断していることは何一つありません」と、まだ白紙の状態であることを明かにしました。これは、この日のサンケイスポーツが、「FA西、阪神入り決断!」と関西版の一面トップで報じたことを受けての緊急発表でした。
ブログでは「多くの球団から本当に熱意のあるオファーをしていただきました。そのどれもが、これまでの僕を評価してくださっているものばかりで、感謝の気持ちでいっぱいです。プロ入りから10年間、お世話になってきたオリックスへの愛着も、もちろんすごくあります。正直、ここまで悩むものと思ってなかったです。ファンのみなさんにご心配をおかけしているのも日々感じていますし、本当に自問自答しています。一度きりのプロ野球人生なので…。ここからまた家族やお世話になった方々と相談し、自分の進むべき道を決めていきます」「僕の中で答えを出し、決断することができれば、しっかりとした形で記事でもブログでも、ご報告させていただきたいと思います」と書いてあります。
一般的にスポーツメディアは100%の確証がない場合には、必ず、「決断へ」「決断か」というような言い回しにするそうです(なるほど、勉強になります)。しかし、この時の報道は、「西投手が阪神入りを決断したことが27日、分かった」と断定していたものでした。しかし、すぐに西選手が否定してしまいました。
ちなみに業界では「決断へ」と書いていた場合、現時点では「迷っていた」としても最終的にタイガース入りを決めた場合、このニュースは間違っていないと主張できるそうです。
でも、今回は「決断した」と断定した一方、本人が「決断していない」としているため、「そうブログには書いているが、あのとき実は決断していた」という言い訳は通用しないそうです。
これで、西選手はタイガースへの移籍がしにくくなったのは事実だと思います。これがまだ、東京スポーツならば、笑い話で済んだかもしれませんが、それなりにしっかりとしている(と思われる)サンケイスポーツの記事ですから影響は大きいでしょうし。
しかし、このサンケイスポーツのニュースが誤報とも一概には言えないのも事実です。なぜならば、サンケイスポーツのみ続報があります。
-阪神、人的補償に備えリスト作成へ 西トラ入り決断で
-虎入り決断の西、今週中にも阪神へ返答「感謝の気持ちでいっぱい」
-阪神入り決断の西、タカ&オリに断り連絡なし
よほど自信を持っているのだと思います。
ただ、トレードや監督人事において報道が先走ったため、関係者の不信感を抱いたり、周囲の反感を買ってしまい、ご破算になった場合もあります。ただ、FA移籍においては、報道先行で出来レースが多いので何とも言えません。
西選手が米国大統領のような性格であれば、サンケイスポーツの記者は「出ていけ!!」と怒鳴られていたでしょうね。