子貢問、師与商也孰賢。
(子貢:師と商ではどちらが優れているか?)
孔子曰、師也過、商也不及。
(孔子:師はやりすぎであるが、商は控えめすぎる)
子貢曰、然則師愈。
(子貢:ということは、師の方が優れているのですか)
孔子曰、過猶不及。
(孔子:やりすぎるのは、控えすぎるのと同じようなものでどっちもどっちだ)
孔子(こうし)さんは、中国・春秋時代の学者、思想家であり、儒教の祖です。魯(ろ)の陬邑(すうゆう:山東省曲阜(きょくふ))に生まれ、名は丘(きゅう)、字(あざな)は仲尼(ちゅうじ)、諡(おくりな)は文宣王。早くから才徳をもって知られ、壮年になって魯に仕えましたが、のちに官を辞して諸国を遍歴し、十数年間諸侯に仁の道を説いて回りました。晩年、再び魯に帰ってからは弟子の教育に専心します。後世、儒教の祖として尊敬され、日本の文化にも古くから大きな影響を与えました。弟子による編纂になる言行録「論語」があります。
「過ぎたるは猶及ばざるが如し(すぎたるはなおおよばざるがごとし)」の語源は「論語・先進」の第十一に掲載されています。「過猶不及」が、その語源になります。
意味としては、「やりすぎることはやり足りないことと同じように良くない」「過多は不足と同じで正しくない」であり、つまり、「何事もほどほどがよい」となります。
さて、海苔などの海草類が「海の野菜」と呼ばれています。低カロリーにも関わらず、カリウムや鉄分などのミネラルや葉酸などのビタミン、食物繊維などが豊富に含まれている海苔はいかにも健康によさそうです。
たとえば、カリウムは細胞が正常に活動するために欠かせないミネラルで、ナトリウムを体外に排出する作用があり、血圧や塩分の摂り過ぎを調節する上で大切です。日本人の食事摂取基準(2015年版)では、体内のカリウム量を維持するために適正と考えられる値を目安量として設定しており、18歳以上男性では1日2500㎎、女性では2000㎎です。また現在の日本人の摂取量を考慮した、高血圧の一次予防のための目標量として、18歳以上の男性では、3000㎎、女性では2600㎎が設定されていますが、世界保健機構(WHO)が2012年に提案した高血圧予防のために望ましい摂取量は成人で1日に3510㎎とされています。
海苔1枚(3g)に含まれるカリウムは、焼き海苔:72mg、味付き海苔:81mgと多く、海苔の少ない量に関わらず多いのですが、何事も「過ぎたるは猶及ばざるが如し」です。
日本食品標準成分表2015年版(七訂)によりますと、海苔には食物繊維が100gあたり36g含まれています。この量は食物繊維が多いといわれている、こんにゃくの約12倍になります。海苔は板海苔1枚が約3gですから、板海苔を3枚食べると、こんにゃく約100gの食物繊維をとることになります。その、海苔の食物繊維は胃腸に優しい水溶性のものが多いといわれていますから、もともと胃腸を刺激することは少ないのですが、消化されにくいという特徴もあります。
ある日の朝のことですが、朝食後にまだ小腹が空いていたので、お腹を紛らわすために、先日買った「おつまみ味付け海苔」をつまみ出したら、美味い美味いと次から次へと、それはもう、超大量に食べてしまいました。
そして異変は数時間後に起こりました。
お腹が何ともいえない膨張感に襲われ、さらにシクシクとした痛みだします。トイレに行くと、さらに強烈な吐き気が襲ってきました。その日は、もう何度もトイレへかよう羽目に陥ります。もちろん、食欲はなく、熱も出てきて一日中寝込んでいました。さらに、翌日になってもまだ調子が悪く、熱も下がらず・・・。
思い当たることはなかったものの、もしやと思い、調べてみると、インターネットで調べてみますと、「海苔を食べすぎると下痢や嘔吐の原因となる」という記事がありました。
ちなみに、欧米人は海苔を分解するのが体質的に苦手だそうですが、日本人の腸内には海苔を分解する微生物が存在するという論文があり、日本人が海苔でお腹を壊すというのはかなり稀なケースらしいのです。私のお腹は、「欧米かっ!」と思ったのですが、そもそも、尋常じゃないぐらい食べ過ぎてしまい、消化不良を起こしたのが原因だと思えました。
「過ぎたるは猶及ばざるが如し」を身をもって体験した次第です。
あらためて、2度とこない今日という1日を大事に大切に過ごしたいと思います。
良いことはずっと続き、良くないことには、必ず終わりが来ると信じていきましょう。
今日も、私のブログを最後まで読んでいただき、ありがとうございます。明日もまた、元気にここでお会いしましょう。