旧宮家の皇族復帰など言語道断

 男系一筋派は第二次大戦敗戦後にＧＨＱに民間人とされた１１宮家を天皇の男系維持に利用するべく皇族復帰させようと画策しているようだが、とんでもない話。言語道断。

 連中はＧＨＱがＧＨＱが、と、日本人のナショナリズムを刺激して旧宮家の皇族復帰を成し遂げたいみたいだが、旧宮家は３１０万人も国民が死んだ第二次大戦敗戦の結果、皇室のけじめとして民間人になったようなもの。これまで誰も復帰させようとしなかったことからしても誰もが民間人化したことに納得していたはず。それを今更、皇族復帰させて、皇位継承権から無条件に女性皇族を排除する「差別的継承制度」を維持する為に利用するなど絶対反対。

 宮家が復活となれば、その新邸宅を作り専用の運転手付高級車、専属の職員、警護等々、億単位の金が湯水の様に使われる。そんな金が有ったら、あの大失敗国家の大日本帝国に兵隊にとられて死んだ兵士の遺族に対する弔慰金の額を増やすべきである。

 大体、皇位継承権の対象から女性皇族を無条件に排除している皇室典範は、憲法や女子差別撤廃条約、男女共同参画社会基本法に反していることは明白で、男系を維持するということは違法状態を容認することに他ならない。まともな法治国家であってはならないことで、それを国の尊厳を守るとか言って政府に男系維持と旧宮家の皇族復帰を働きかけている自民党の一部の議員は頭がアレなんじゃないだろうか。かなり異常で思考力に問題がある。

 現在、秋篠宮殿下が皇嗣となっているが、皇室典範自体が憲法、国際法、国内法のいずれにも反しているのであるから無効とされるべきで、このまま天皇になろうものなら歴史上初の違法な天皇として名を残すことになる。なんとまあ日本として、日本人として恥ずかしい事であろうか。

 国会は皇室典範を改正し差別主義的継承制度を改め、女性皇族にも皇位継承権を付与するべきで、立皇嗣の礼は中止するのが良い。

男女両系になっても後世の人は別に何とも思わない。

 男系派の中には天皇が女系になったら後世の日本人がきっと残念がるに違いないという趣旨の事を言っている人がいるが、それはあまり無いと思う。

 例えば武士階級が１２世紀に政治の実権を握った時は、当時とすれば未曽有の事態だったに違いないだろうが、今からすれば「この時に時代が変わった」としか思わない。第二次大戦敗戦後にも日本が歴史上初めて外国人に占領され主権を失う前代未聞の事があったが、今から思えば、やはり同じ様なもの。

 女系と男系の両系になったところで別に日本社会は何も変わらない。憲法、女子差別撤廃条約、男女共同参画社会基本法からすれば男女両系が当たり前。そうなった方が社会的合理性、法的整合性がとれて社会にとっては良いはず。後世の人達も当時の法や社会的価値観が変わったのだから仕方が無かったんじゃないか位にしか思わないだろうと思う。