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小國裕美の部屋

秋の歌 落葉 / 小國裕美 枯葉

フランスのポール・ヴェルレーヌという詩人の 秋の歌(落葉)

秋の日の深い憂愁



秋の歌(落葉)

   ポール・ヴェルレーヌ

Chanson d'automne

               

Paul Verlaine


Les sanglots longs

Des violons

De l'automne

Blessent mon coeur

D'une langueur

Monotone.

Tout suffocant

Et blême, quand

Sonne l'heure,

Je me souviens

Des jours anciens

Et je pleure

Et je m'en vais

Au vent mauvais

Qui m'emporte

Deçà, delà,

Pareil à la

Feuille morte.




上田敏 『海潮音』より


秋の日の

ヰ゛オロンの    (ヴァイオリンの)

ためいきの

ひたぶるに   (ひたすらに)

身にしみて

うら悲し      (心悲しい)

鐘のおとに     (時刻を告げる鐘の音)

胸ふたぎ      (胸ふさぎ)

色かへて      (顔色を変えて 青ざめて)

涙ぐむ

過ぎし日の

おもひでや。

げにわれは

うらぶれて     (心憂く思って)

ここかしこ     (あちらこちら)

さだめなく

とび散らふ     (飛び散っていく)

落葉かな。



ヴァイオリンのやるせなげな旋律にも似た、秋の日のうら寂しい気配が、ひしひしと身にしみて、ただもう、悲しくて仕方がない。

時を告げる鐘の音を聞けば、胸がふさぎ、顔も青ざめて、過ぎ去った日のことをあれこれと思い出しては、つい、涙ぐんでしまう。

考えてみると、私は、すっかり憂えしおれて、風の吹くがままに、あちらこちらと、あてもなく飛び散っていく落葉のようなものである。



                      


ポ-ル・ヴェルレーヌ(窪田般彌訳)


秋風の

ヴァイオリンの

ながいすすり泣き

単調な

もの悲しさで、

わたしの心を傷つける。

時の鐘鳴りひびけば

息つまり

青ざめながら

すぎた日々を

思い出す

そして、眼には涙。

いじわるな

風に吹かれて

わたしは飛び舞う

あちらこちらに

枯れはてた

落葉のように。

       

ヴェルレーヌの「秋の歌(落葉)(Chanson d'automne)」は1866年に出版された

ヴェルレーヌの処女詩集『サチュルニアン詩集(Poèmes saturniens)』に所収された作品、

ヴェルレーヌが20歳の時に書いた詩です。












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