高田仏教会会長就任挨拶  新潟県仏教会 県仏通信掲載

2017年07月11日 | 日記
下記の文章は
新潟県仏教会より高田仏教会会長に就任時に県仏通信に掲載されたものです。
2017年2月号

現在は新潟県仏教会副会長、高田仏教会会長をさせていただいております。


新潟県仏教会理事に昨年就任しました高田仏教会(118カ寺構成)会長の西脇真成です。
歴代役員の意思を尊重し、また仏教会の本分をわきまえて活動をしていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
さて、寺院の将来の展望は決して明るいものでなく全国的に過疎化、地域格差が大きな問題となっております。
国でさえ解決できない問題を宗教団体が解決できるものではありませんし、
もはやこれはだれにも止めるられる事ではありません。
しかし人口減少を前提としての寺院存続対策は絶対にできるはずです。
そもそも、過疎化によっていったい何が一番困っているのでしょうか。
その本音を真剣に語らなければいけない時期に来ています。
現実を直視した時、私たち僧侶といえども経済を無視することはできませんし、
また経済的基盤があってはじめて布教活動ができることも自覚すべきです。
将来、後継者が宗教活動ができるように今私たちが変わらなければ手遅れになるほど寺院存続は深刻な問題です。
各宗派の宗勢調査の結果を平成二十五年に文化庁がまとめた資料を見ると新潟県では昭和三十七年には3.049カ寺、平成二十五年には2796カ寺と実に253カ寺が消滅しています。
比較期間は人口増加高度経済成長時期が含まれているにも拘わらずの減少で、
過疎化が深刻化する現在は急速に廃寺が進むのは明らかです。
次に自坊所属宗派、浄土真宗本願寺派平成二十一年宗勢調査によると寺院年収100万円以内が18.2% 100~300万円が25%で、近い将来三割近くが経済的理由で存続するのが難しいとの分析結果が出ています。
ちなみに本願寺派は約一万カ寺ありその三割とは恐ろしい話です。
また現実社会において直葬しかできない、遺骨放棄がある、一人暮らしになり法事ができないなどの事例に寺院は何ができるのか真剣に考えることも必<要です。
新潟県仏教会の活動の一つとしてこの様な問題を話し合う場を設けることも大切なことと思っております。
新潟県内の仏教寺院の繁栄を心より念願し新年及び就任の挨拶とさせていただきます。
                                    合掌