藝藩志・藝藩志拾遺研究会

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【働く女性応援よくばりハンドブック】が全国に与えた波紋とその問題点

2021年12月02日 19時24分39秒 | オピニオン的解説
広島県が無料配布中の
何故か急に全国で話題となり、批判の嵐が起こっている。
TVのワイドショー等でも取り上げられ、
批判的なコメントが強めだと感じられる状況にある。

地元のTV局で小規模のリサーチをすると、
平日昼間という事も影響あるかと思われるが、
否定的な意見が30%、肯定的な意見が70%という結果であった。
インタビュー風景を見ていると、
比較的若い女性に批判的意見が多いのかなと思われた。
この結果を見て、納得する部分があった。
湯崎知事は育児休暇を積極的に推進する為、
自ら育児休暇を取得してPRする等、
子育て支援に積極的なイクメン知事として知られていた。
従って、ある程度の年齢の人には理解して貰えている。
しかし、若い世代になるとリアルタイムで実感していないので、
言葉尻を自分の常識に当てはめて考えるしか判断材料が無い。
なので世代間格差で意見が違ってくるのは仕方が無い面がある。

しかし、広島県のHPを見れば、
湯崎知事が広島県をどう導こうとしているのかは明確である。
実は女性向けだけではなく、
男性向けにも「よくばり」の文言が入っていると地元のTVでは紹介あった。
実物を具体的に見つけられなかったが、
実際、イクメンの為のページもある。
これまでの広島県の取り組みや実績を見ずに、
表面的な言葉尻を捉えて批判する事は簡単だが、
そこに如何程の意味があるのか解らない。
女性蔑視云々の話がここまで問題化される様になったのは、
オリンピック関連のスキャンダル以後であり、
これまでは、働く女性の育児との両立問題に関しては、
職場の理解が十分で無い為に問題があった事は事実だし、
その状況を改善しようとする取り組みの中で、
この様な冊子の制作が行われたのだという厳然とした事実がある。
オリンピックを期に急に意識の大変化があった為に問題とされたが、
これまではそうではなかったという事は理解されても良いと思う。

この冊子が作られた背景には、「個人のわがまま」と言われたり、
「欲張っているのだろうか?」という若い母親の悩みを解消したいと
いう意図があったと思う。
その上で、「よくばり」とは、
「遠慮しないで、もっと子育てし易い環境、働き易い環境を求めて良いんだよ。」
という意味を込めたものであると理解される事を望む。
湯崎知事と広島県が目指していた事に対し、
世間の意識が急激に追いついて来たという事なのだと理解したい。



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