最初にことわっておくが、
この聴き比べは音の善し悪しを判断する為のものではない。
機器を通せば通す程、元の音とはかけ離れていく。
人によって耳の聞こえ方も違いはある。
聞こえ方が人それぞれ違うのだから、
「これが良い音だ」と云っても、
他の人が思う良い音とは違うかもしれない。
なので、音が良いかどうかで評価はできない。
2つ以上のモノを比べて特徴の違いが判れば良い。
今回はWOOD CONEシリーズの
「EX-A10」(2005年)のアンプを使う。
このアンプはスピーカーとセットで、本来はBi-AMP接続で聴く機器。
「Bi-AMP接続」とは、
アンプ(AMP)内で音を高音(ツイーター)と
低音(ウーハー)で分け、専用スピーカー(SP)に接続。
AMPツイーター出力とSPツイーター入力、
AMPウーハー出力とSPウーハー入力をSPコードで繋ぐ方法。
役割分担することによって、
よりピュアな音がパワフルに出力出来る。
但し、このAMP自体は他のSPも繋げられる様に
Bi-AMP/Single-AMP切り替えが出来る。
Single-AMPにすると、ツイーター側は出力されず、
ウーハー側から高音と低音が一緒に出力され、
普通のAMPとして使える。
この機能を使って、
SP-EXA10から
①ウーハーだけ使ってフルレンジ(全ての音)を出す。
フルレンジSP(1waySP)にする。
2waySP用のBOXをあえて1waySPとして使う。
②ウーハーはフルレンジSPとして使う。
その上で、ツイーターから高音を出す。
AMP(RX-EXA10)が2台使用。
③EX-A10の通常のBi-AMP接続をして聴く。
②との比較の為、AMPを2台使用して
高音と低音を別のAMPで音だしし、
1つのSPBOXで鳴らす。
繋ぎ方を変えたらどんな違いが出るのかを試す。
WOOD CONEシリーズに②の繋ぎ方を採用したモデルがある。
それがSP-EXAR5というモデル。
たまたま新製品をレビューするサイトでこの情報を知った。
この繋ぎ方だと高音に高音を足す事になるので、
高音に特徴がある筈だが、果たしてどんなだろう。
このモデルが何故、普通のSPと違う事をしたのか気になった為。
この試聴に、現在所有しているSPも加える。
④SP-EXHR7 2way 110mm/20mm
⑤SP-EXN50 85mm 1way
⑥SP-EXHR99 90mm 1way
やり勝ちな事として
低音が出ている出ていないという事で、
単純に善し悪しを判断するのは良くない。
どのモデルもサブウーハー出力があるので、
そこは気にしなくて良い。
それより、
楽器の音、声の聞こえ方等で少しづつ違いがあり、
曲によっては好みが違ったりしてくるのだが、
どれが自分好みなのかという事が大事。
※この録音に際して、
環境的にボリュームがこれ以上上げられなかったので、
SPから500mmという至近距離での収録になり、
高音が目立った為にマイクをタオルハンカチで覆っている。
従ってこのままの音というわけではない。
同じ条件での音の違いをSPの特性として見ている。
ただ、生で聴いた方が判りやすかったので、
録音機を通した音で判るかどうかというところ。
尚、時間の都合で簡素に編集した。
ではどうぞ。
簡単に説明すると、
①は⑤や⑥より振動板が大きくBOXも大きい為、
低音がよく出ている。
②は高音をプラスした分賑やかになった。
自分の中では未熟なSPだと想像していたが、
低音もしっかり出ていて意外にも落ち着いた音だった。
③は②よりも高音は控えめで賑やかさは抑えた感じ。
原音に一番近い様な気がする。
④は実際耳で聴いた以上に高音が出ている様に思う。
③よりは高音と低音の繋ぎ目が高音寄りに有る印象がある。
曲に依っては③より④の方が落ち着いて聴こえる時がある。
⑤は単独で聴くと低音も出てバランス良い音と思うが、
比べてみると軽めの曲に合っている様に思う。
⑥は現行モデルだけあって、メリハリが聴いている気がする。
SP-EX-AR5というモデルは2wayモデルの繋ぎ方ではない為、
期待していなかったが、意外としっかり音が出ていた。
但し中高音の音が重なった部分がどう聴こえるか、
バラード系の曲で確認すべきかもしれない。