刻字|浦波玄龍

書道展、作品について記事を書いてます。

作品紹介「兎」

2024-07-31 20:39:00 | 書道



甲骨文字の兎。

ご覧の通り兎を横から見た姿となっています。

僕がこういった獣の書稿を書く際のコンセプトは「可愛く」です。

例えるならご当地のマスコットキャラクター、サザエさんのタラちゃんやイクラちゃん、ドラえもんなど。

要は頭でっかち=可愛らしさというものを取り入れています。

こちらの甲骨文字で書いた兎も字典に登録された元の形はスマートなものです。




中国古代(殷)の人間が残した文字を現代的な観点を取り入れて作品を作るというのは、紀元前から現代へかけての伝言ゲームのようで面白いものです。



作品紹介「易」

2024-07-29 22:52:00 | 書道



作品名「易」

易と彫りました。

コンセプト上は、蜥蜴(とかげ)なので正確には蜴になります。

易と言えば易学という学問が中国古代より存在しており、占いの学問とも言われています。

説文解字では「蜥易蝘蜓守宮也」とあるようにトカゲ、ヤモリを意味する文字とも言われています。

この作品の色は、右上から左下にかけてブルー、エメラルド、シルバー、ゴールド、ブロンズ、レッドと色を変えています。

これはヤモリの擬態を表現しようと思い、このような彩色にしました。

そして斜線を境に彫り方を陰刻と陽刻で分けています。

易は陰陽道、すなわち中国古代の人間がこの世の森羅万象に風穴を開けようとした事により生じた概念で、作品の中間から彫り方を変えたのは陰と陽の境を表現したい為でもあります。

なので作品全体は「物事の変化」を強調させました。