そんな風景で思い出したことがありました。
アクツさんは私より3・4才年上の女性です。
(正確に聞いていないので不明です)
東京の有名大建築科卒の一級建築士。心身ともにきれいな方です。
出会いは協力設計事務所で、
それから仕事を依頼したり、されたり。
今から約24年前。
泉でハンバーガーのお店の改装工事をしていました。
工事は終盤、お店側の工事でブラインドを取りつけて終り!
今日はその打ち合わせです。
あくつさんという男性責任者の方と打ち合わせをしました。
次の日、事務所に電話がかかってきました。
アクツさんからです。
「いつもお世話になっています。…。ちょっと伊藤さんと話したい人がいるので代わりますね。」
誰だろう?
「あくつです」
「ええっ…。昨日打ち合わせした。あの、あくつさん?」
結婚しているのは聞いていたのですが…。
何かおもしろくありません。
「俺のアクツさんを…」
そんなこんなで仲良くなり…。
お互い独立してから、年に1回はじっくり話をしていました。
彼女の事務所兼自宅だったり、街中で酒を飲みながら…。
私が自宅に伺うと半日は仕事になりません。
山に囲まれているマンションの高層階にある自宅は眺めがよく
リビングの西側壁面は本でびっしりです。
「江戸時代はエコだったんだよ…。三越のファサードの詳細図は私が…勉強になった」とアクツさん1時間。
「伝統工法で住宅を建てるのは…。ゼネコン設計部の○○さんは私の先生で…アクツさん知ってるんですか?…」と私1時間。
将来の話や仕事の話に夢中で外の風景はすっかり代わっていました。
山はきれいな白に。
そして、アクツさんが亡くなったのが1月でした。40代です。
私のお腹にはキズがあります。
盲腸の治療が遅れてしまったため21針あります。
(正確には数えていません。外壁屋さんは20針のキズがあると言っているので、悔しいからひとつ多くしました)
19才の時でした。
本当は生きていなかったかもしれません。
生かされました…。
お客様からいただいたセミナーCDのいい話です。
美容室で働く新人の女性は給料日には必ず感謝のメールを社長にするそうです。
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今月もお給料ありがとうございます。今月も無駄遣いしないで(略)、専門学校の先生から聞いた話を話します。
小児がんで学校に通えない男の子の夢はお巡りさんになることです。
「大きくなったら悪い奴をやっつけてやるんだ!お母さん病気治るよね!僕は何の病気なの?教えて!教えて!」
いつもよりだだをこねていたその夜、病状が悪化して亡くなってしまいました。
大人になって、お巡りさんになることはできませんでした。
また、ある少女は交通事故に遭う30分前に作文を書いていたそうです。
「私はお花が好きなのでみんなにお花をあげるんだよ!だからお花屋さんになりたいの…」
少女が大人になってみんなを喜ばせてあげることはできなくなりました。
社長、大人になって仕事をすることは当たり前のことかもしれません。
今話した子ども達のように働きたくても働けないで亡くなっていく人もいます。
働くことは、生活の為とか、お金が欲しいからと考えている人は仕事ができるしあわせに気づいていないのではないでしょうか?
私はすきな美容師の仕事ができて本当に幸せです。
そして、もっと、もっと働いて、成長して、たくさん夢をみたいです。
こんなことに気づかせてもらってありがとうございます。来月も頑張ります。
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私は生かされました。
あの時、アクツさんと話をしていた家は進化し、モデルハウスとして4月にオープンします。
成長しているだろうか?
アクツさんはなんて言ってくれるだろう。
きれいな白い風景を観て、アクツさんへ
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