鎌倉 宝戒寺 銘木 無患子(ムクロジ)
鎌倉は自宅から約30分と比較的近い。以前から気ままに出かけてはいたが、これからお寺巡りをしながらウオーキングしようかと、リュックにカメラを入れて結局1万3千歩ほど歩いた。好きな鎌倉をカメラ片手にのんびり歩くことで、疲れもなく気分爽快だった。
鎌倉駅を起点に、宝戒寺、杉本寺、報国寺、浄妙寺をを訪ねた。宝戒寺は正月5日にも、写真クラブの撮影会で行ったばかりであったが、もう一度ご本尊の地蔵菩薩を拝観したかった。そこで300円お払いして、護摩木ならぬ蝋燭に「身体健全」の文字と名前と年齢を書いて仏前に差し出した。しばらく座禅の気持ちで本堂に佇む。鎌倉のお寺でこんなにゆっくりして、時間を過ごすのは久方ぶりだ。
宝戒寺の境内に、前回気付かなかった「銘木 無患子(むくろじ)」と書かれた背の高い木があった。6月に花をつけ、今は黄色の実が真っ青な空に向かって鈴なりになっている。この実は、数珠や羽根つきの玉に使われるそうだ。また、果皮にサポニンが含まれ、水に溶けると泡立ちがよいので、平安の昔は石鹸として洗濯や洗髪に用いられたそうである。ちなみにご住職に聞いたら、樹齢60年ぐらいになるそうだ。
宝戒寺をあとにして、約1キロ先の杉本寺へ向かう。ここは坂東三十三観音霊場の第一番札所で、聖武天皇の天平六年、行基が十一面観音像を彫刻し、開創したと伝えられている古刹である。慈覚大師、恵心僧都作の十一面観音菩薩も安置されており、本堂の暗闇の中に黒ずんで立っておられる姿は、訪れる者に畏敬の念を抱かせる。
12年前の平成11年2月21日にここを訪れてから、坂東三十三観音、秩父三十四観音、西国三十三観音を巡拝して百観音巡りを達成した。その後、四国八十八ヶ所巡礼も体験したが、いずれもマイカーでのことである。
四国巡礼中、雨に打たれながら歩いている若い外人女性の巡礼姿を見て、すごく自分が恥ずかしい思いをしたことがあった。巡礼の意義というのは、ひとつひとつのお寺の参拝のみにあらず、そこまでの苦しい道程にある。真の信仰はそこから始まるのかもしれない。
報国寺に着いたときは既に午後4時。すでに山門は閉まっていた。ガイドブックも持たず記憶だけで歩いてきたので、冬時間の閉門を知らなかった。
最後に鎌倉五山のひとつ浄妙寺に向かう。本堂には入れなかったが、蝋梅や水仙の花を愛でながら、咲き始めた紅梅、白梅をカメラに収めて、ちょうどやってきた江ノ電バスで鎌倉駅へ向かい帰路についた。23/1/31
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