お地蔵さんの話

　　　　 福岡県太宰府市　観世音寺　地蔵菩薩立像　藤原時代　重文

銀座ニコンの仏像写真小品展も無事終わり、ホッとしているところですが、これからしばらくは、12月に予定している故郷浜松での仏像写真展の準備に全力投球です。

とにかく故郷の懐かしい人たちに会えるのを最も楽しみにしていますが、ただ展示するだけの写真展ではなく、釈迦の教えや仏教名言を織り交ぜた作品も手がけたいと考えています。このため、通勤電車の中では専ら仏教に関する本を読み返しています。最近読んでいるのが「法句経」(友松圓諦現代語訳)。釈迦滅後、弟子たちの手によって釈迦の小句を編集したものらしく、現代にも通ずる名言集です。

さて、タイトルのお地蔵さんの話ですが、オンカカカビサンマエイソワカは地蔵菩薩のご真言です。毎朝の読経で3回唱えています。ご真言の意味は秘密の言葉として在家の衆生は知らなくてよいそうです。呪文みたいなものです。

毎月1回、近くの日限地蔵尊にお参りに行っています。そこは高野山系の真言宗のお寺ですが、横浜に戻ってからかれこれ21年通い続けているお寺です。横浜関内の支店に転勤になったとき、地下鉄の途中駅で「日限地蔵尊」の看板が目にとまり、亡くなった母が浜松近郊の金谷というところの日限地蔵さんに長年通っていたのを思い出して通い始めました。
私たち家族は、お正月の初詣はここだけと決めており、全国のお寺を回っていますが、願掛けはここだけです。

つい最近、カミサンとその友人宅への行き帰り、車の影から人が出てきたり、見通しの悪い三叉路で右から車が来ているのに気づかずあわや!交通事故という場面が2度もありました。3～4年前、車で全国行脚していたときも、ヒヤリとしたことが2度ありましたが、事故は一度もありませんでした。家族の病気や手術というときも、必ず日限地蔵さんにお参りしています。毎年いただいている家内安全と交通安全のお札が耀いて見えたりします。家族全員を見守ってくださると信じてやみません。

釈迦入滅後、56億7千万年後に弥勒菩薩が釈迦のあとつぎとしてこの世に出現すると言われていますが、それまでの間、身近なところで我々衆生を救って下さるのが地蔵菩薩と言われています。やさしいお顔がなんともいえない安心感を与えてくれます。