熊本県 医王寺 聖観音菩薩
闇路に闇路を踏みそえて そのような無明の闇路を歩きつづけていては
いつか生死を離るべき いつまでたっても、迷いから離れることができない
夫れ摩訶衍の禅定は 大衆の教え、まことに偉大な禅定という船は、
称嘆するに余りあり (わたしたちを悟りへ導くこの大船)は讃歎してやまない。
布施や持戒の諸波羅蜜 布施や持戒などの波羅蜜(迷いの世界から悟りの世界へ渡る)
念仏懴悔修行等 真の念仏、懴悔(仏教の説く懴悔は清浄なる自己に立ち返ること)
其品多き諸善行 その他にも仏教には様々な修行がありますが、
皆この中に帰するなり (それらの修行、善行)は皆、この中(摩訶衍の禅定)に帰する。
一坐の功を成す人も 「一回の坐禅」をした人でも功を成す人もいる。
積みし無量の罪ほろぶ 生まれてから積み重ねてきた、諸々の罪が消え去るのである。
悪趣何処にありぬべき 「一坐の功」の禅定であっても、悪趣は何処に消えてしまう。
浄土即ち遠からず (禅定力を体得すれば)この世がそのまま浄土として受けとめられる。
辱なくもこの法を ありがたくも、この法(摩訶衍の禅定=仏法)を
一たび耳に触るるとき 機会があって耳にしただけであっても、
讃嘆随喜する人は それを讃嘆し心から喜ぶ人は、
福を得ること限りなし かならず、無限の福を得ることであろう。
摩訶衍の禅定とは、大乗という意味。大きい乗り物、大きい教え、自利自他の教えで、大乗仏教の説く禅定のこと。また、禅定の力を得るようになれば、苦しみは消え、地獄がそのまま浄土となってしまう。すなわち心の持ち方一つで、この世は地獄にも極楽にもなる。まことにそのとおりである。
波羅蜜とは、六波羅蜜のことで、この実践によって彼岸へ渡ることができるとされている。衆生にはなかなか出来ないことであるが、日々の生活の上で、どれか一つでも近づけたいことである。
1.布施 人に与えること。ほどこし。
2.持戒 いましめを守ること。
3.忍辱 たえしのぶこと。
4.精進 善い行いをし悪を断つ修行。
5.禅定 心を静める。坐禅で悟る。
6.智慧 般若の智慧すなわち仏になる智慧。
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