作曲家 フォスター
一人寝は寂しいものだと思いつつ、夕べは早く寝すぎてしまった。目が覚めたらまだ2時20分ではないか。ハチがそばにいてくれて「どうしたの?」という顔をしている。
枕元のポケットラジオのスイッチを入れる。いつもラジオ深夜便が聴けるように、NHK第一に周波数を合わせている。今夜の2時台ロマンチックコンサートは、アメリカのスティーブン・フォスター作品集。アンカーは遠藤ふき子さん。
フォスターといえば、アメリカのシューベルトと言われた作曲家。少年のころ唄った歌が流れてきた。
曲目は、懐かしきケンタッキーの我が家、おおスザンナ、草競馬、夢見る人(夢路より)、金髪のジェニーなど知っているものばかり。合唱団のハーモニーも素晴らしく、深夜の床の中でしばし聴き入る。小学校や中学校の時代にタイムスリップしたかのようだ。
フォスターは、家族の死がショックで借金暮らしに陥り困窮生活がつづき、1860年にニューヨーク再び移り住み「オールド・ブラック・ジョー」を発表するが、翌年には全曲の版権を売却、出版社との契約も切れ、作曲しては売るものの夜にはお金が底をつくというひどい困窮生活をしていたという。
やがて妻子も去っていき、次第に飲酒と孤独に苛まれ、1864年マンハッタンのホテルに滞在中、頭部および頚部から大量に出血した状態で倒れ、37歳でこの世を去った。この時のフォスターの所持品はわずか38セントの小銭と、「親愛なる友だちとやさしき心よ」と走り書きされた紙片だけだったそうだ。
自分自身、フォスターとは比較にならないが、働き盛りの大部分を飲酒と孤独に苛まれて生きてきただけに、酒に逃避していただろう部分には共感を覚える。
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