新聞の人生充実欄「男のひといき」に眼がとまる。投稿者は74歳のフリーライターの男性。投稿文の内容に興味を持ったのは、ペンフレンドと再会した話。
毎夜9時に携帯電話が鳴る。かけてくる相手は同じ古希を過ぎた女性。1時間半ほどたわいもない話をして電話は切れる。お互い連れ合いを亡くし、彼女は岐阜、私は埼玉で一人住まい同士、二人は高校時代ペンフレンドだった。70歳になるまで2度会っただけで、その後は年に3回ほど会ってドライブや旅行を楽しんでいるという。最後に「遠距離 話す日報」に感謝していると書かれている。
私も高校生のとき、同じ年の四国高松の女子高校生と文通していた。卒業の年、浜松から列車と宇高連絡船を乗り継いで、会いに行ったことがある。事前にホテルを予約していたが、彼女の家族の勧めで自宅に泊めてもらった。
お風呂は五右衛門風呂でドキドキして入ったことを覚えている。帰りはお母さんと一緒に連絡船乗場まで見送ってくれて、黄楊のカフスボタンと皮のベルトを土産に買ってくれた。お互い就職してから疎遠になってしまったが、淡い恋の思い出はしっかり心に残っている。
16年前の全国行脚で四国八十八か所巡りをした時に、会いたいとは思ったけれど、新聞の男女のように双方独り身という訳でもないので実現しなかった。きっと彼女は幸せに暮らしていることだろう。
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