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鉄道員

2020年11月06日 15時57分39秒 | ハチパパのひとり言

https://youtu.be/pwvjCCKZicw

過日録画しておいた往年のイタリア名画「鉄道員」をみる。

1956年のイタリアのホームドラマ映画。第二次大戦後のイタリアに生きる民衆の喜怒哀楽を、初老の鉄道機関士の姿とその幼い息子の目を通して描いた映画史に残る作品で、何度も観た記憶が残る

30余年鉄道一筋に生きてきた初老の鉄道機関士アンドレアと、幼い末っ子サンドロを中心とした家族の物語。アンドレアは、長男マルチェロや長女ジュリアからは厳格な性格が嫌われていたが、末っ子サンドロの誇りだった。

ある日、アンドレアの運転する列車に若者が投身自殺、その直後赤信号を見すごし、列車の衝突事故を起こしかける。そして、ストライキを計画中だった労働組合に不満を訴えるが、とり上げられることはなく、酒に溺れ始める。職場ではストライキが決行されたが、アンドレアは機関車を運転し、スト破りをして友人達からも孤立し、家にも帰らぬようになる。

その後、長女ジュリアと長男マルチェロとも口論となり、家を出ていって家族崩壊。末っ子サンドロは酒場をめぐって父を探し出し、以前に父が友人たちとギターを弾いて歌った酒場に連れ出す。

旧友たちは再びアンドレアを温かく迎え入れる。そして、家族との和解の兆しも見えてくる。しかし、すでに彼の体は弱り切っており、家族や友人たちとの幸せなクリスマスパーティを終えた夜にベッドでギター弾きながら息をひきとる。

末っ子サンドロと父・母・兄・姉との対話シーンが切なく、ギター演奏の鉄道員のテーマ曲が、場面場面の情感をたまらなくさせる。この映画がつくられたのは私が小学校6年生の時で、両親が喧嘩ばかりしていて家庭内が暗い時期だった。

そういう思いをしてきたのに、27歳で前妻を亡くした私は、3歳と0歳の息子に寂しい思いをさせてきた。20年後に今のカミサンと再婚したが、その時すでに息子は大学生と高校生、多感な少年時代に、父親として深い愛情を目に見えるように注いであげられなかった。二人とも父親に対して優しく接してくれるが、私としては詫びの気持ちでいっぱいである。

 



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