
NHKBSプレミアムで、昭和58年4月から1年間にわたって放送された連続テレビ小説「おしん」が、毎週日曜午前10時~11時30分に6話毎まとめて再放送されている。何と30年ぶりの復活で、全297回を1年にわたってアンコール放送される。
主人公おしんの明治から昭和に至る80余年の一生を、小林綾子・田中裕子・乙羽信子が描く。何事にも耐えるおしんの姿は、日本国内のみならず海外でも大きな感動を呼んだ。今日の放送分は、おしんが小学校に入れてもらい、昼飯抜きでも勉強したい一心で子守をしながら通学するシーン。担任の先生の愛情あふれる師弟愛がすばらしい。
口減らしに奉公に出された時代のことで、時代の違いと言ってしまえばそれまでだが、今の世の中にこそ望まれる思いやりと励ましの絆に、観ていて涙が滲んでくる。食べることにも事欠く本当に貧乏な生活は、義務教育さえ受けられなかった時代でもあった。私の小学校時代は昭和26年から32年であるが、本当に貧乏して苦労していた同級生もいた。
昨年秋に小学校の一泊同窓会に行ったとき、他のクラスのS君が同級生のA君のことを、「あいつはおばあちゃんに育てられたけど、本当にひどい貧乏で苦労したんだ」と涙声で話していたのを思い出した。今は大学に行くのが当たり前になって、親の経済的負担も大変大きくなっている。夫婦共働きは当たり前だし、住宅ローン、教育ローン、自動車ローンに追われる人生を幾十年も続ける人が少なくない。
離婚の調停をやっていて、養育費の支払いを成人までではなく、大学4年までと要望する親も少なくない。しかし、教育が大切なことはよくわかるが、最高学府まで親が苦労して出させてくれたことへの感謝の気持ちが、子供に本当にあるのか疑問に思うこともある。外国では社会人になって子供が親に教育費を返す習慣もあると聞く。感謝の気持ちだけでも子供から「ありがとう」と言ってもらえるだけでも嬉しいものである。我が家の場合は、今のところ息子二人とも「感謝してるよ」と言ってくれている。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます